田村セツコ : ウィキペディア(Wikipedia)

田村 セツコ(たむら セツコ、1938年2月4日 - )は、日本のイラストレーター、エッセイスト。

1950年代後半よりイラストレーターとして仕事を始め、1960年代には「りぼん」「なかよし」などで少女向けのおしゃれページを多数手がける。1970年代にはキャラクターグッズが人気を博し、また、『若草物語』や『赤毛のアン』などの名作物語のイラストも手がける。サンリオ発行の「いちご新聞」かつては同社の「月刊いちごえほん」にも寄稿していた。の連載エッセイは創刊の1975年から現在も続いている『少女時代によろしく』『田村セツコ HAPPYをつむぐイラストレーター』。

略歴

1938年、東京府東京市(現在の東京都)目黒区にて、警視庁警察官の長女として生まれる「一人の女性を励ましたい」~「カワイイ」系少女挿絵の矜持──イラストレーター田村セツコさん: 次世代価値コンソーシアム「NVC特集」(妹2人、弟1人の4人きょうだい) 。1945年の終戦を疎開先の栃木県上都賀郡西方村(現・栃木市)で迎える。

1953年、東京都立八潮高等学校に入学し、美術部に入部。1956年には松本かつぢに送った往復葉書が縁で弟子入りした町田市ゆかりの美術家たち 田村セツコ - 和光大学。高校卒業後安田信託銀行に入社し秘書課で働くも、月に一度は松本宅に通い指導を受ける。同年8月、松本の紹介で「女学生の友」の読書投稿欄(銀の泉)にカットを描き、デビュー。1957年5月に安田信託銀行を退社した「現代日本人名録 94」(日外アソシエーツ)。松本の知人の紹介で、猪熊弦一郎のスタジオにて絵の基本も学んだライフストーリー 田村セツコさん(83歳・女性) Husime.comネクストストーリー 弥生美術館 「田村セツコ展 85 歳、少女を描き続ける永遠の少女」個展インタビュー Husime.com。

1958年、「少女クラブ」の小説挿絵を急病の画家の代わりに描く。これ以降挿絵の依頼が増えた。1960年には、「りぼん」におしゃれページ(「こんにちはおじょうさん」)の連載を開始。1963年、初の装幀本となる『あしながおじさん』が刊行された。1965年、「なかよし」にもおしゃれページ(「ボンジュールおじょうさん」)を連載開始。1967年、「小説ジュニア」(集英社)、「ジュニア文芸」(小学館)のユーモア小説向け挿絵、おしゃれページを多数手がける。1969年頃より、イラストを用いたグッズの販売が増加(以降、コクヨ、リリック、サンリオ、セイカノート、トンボ、クツワなど十数社より発売)。これらは、セツコグッズとも呼ばれた。

1971年、ギフト・ブックと呼ばれる詩画集『愛の花束』(サンリオ山梨シルクセンター出版部)刊行。(のち『幸福の花束』『風の花束』も刊行)1975年に「いちご新聞」(サンリオ)創刊。イラストエッセイの連載を開始し、現在も続く。

1979年ハウス食品の春のデザートキャンペーンに「HAPPYおばさん」が採用される。1982年、『おちゃめなふたご』シリーズ(ポプラ社)刊行。装幀と挿絵を担当した。以降、ポプラ社の名作絵本シリーズの装幀・挿絵を多数手がける。

1992年に個展を開催。これ以降、個展はほぼ毎年開催されている。2003年に「田村セツコ&水森亜土展」(弥生美術館) 『田村セツコ&水森亜土展』 弥生美術館、2003年、2012年には「田村セツコ展」(弥生美術館)根津・弥生美術館で「田村セツコ展」-原画や希少グッズなど400点 - 上野経済新聞、2012年10月5日、2019年には「田村セツコのHAPPYがいっぱい!」(とちぎ蔵の街美術館)が開催される。2023年1月には弥生美術館にて「田村セツコ展 85歳、少女を描き続ける永遠の少女」、9月に東武百貨店池袋店にて「田村セツコ 85歳のHappy Surprise!出版記念 『田村セツコ おちゃめな世界展』」と精力的に開催している。

人物

  • 少女時代の愛読書は「ジュニアそれいゆ」(中原淳一編集)だった。「ジュニアそれいゆ」休刊の年に「りぼん」のおしゃれぺーじ(こんにちはおじょうさん)の連載を開始。
  • 近年はコラージュ技法を用いた作品も数多く手がける。
  • 未婚。60代後半の頃より自宅で母と妹を介護した経験がある。

作品

漫画

  • おしゃべりマンガ『となりのリブちゃん』(月刊プリンセス)

挿絵

  • 『あしながおじさん 少年少女世界名作文学全集43』(1963年、小学館、原作:ジーン・ウェブスター、訳:厨川圭子) ※田村節子名義
  • 『私の青春ノート』(1974年、ポプラ社、著:樋口恵子
  • 『思い出は歌わない』(1974年12月、サンリオ出版、著:名木田恵子)
  • 『ほしのぎんか』(1978年、世界文化社、原作:グリム兄弟、訳:薩摩忠)
  • 『子どもおりょうり教室』(1978年8月、講談社、著:牧野哲大)
  • 『おちゃめなふたご』シリーズ(ポプラ社、訳:佐伯紀美子) ※のちに改訂単行本化
  • 『はりきりダレル』シリーズ(1987年 - 1991年、ポプラ社、訳:佐伯紀美子)
  • 『想い出を売る店』(1985年、サンリオ、著:辻信太郎) - ミュージカル「MEMORY BOYS〜想い出を売る店〜」の原作
    • 『想い出を売る店〈改訂版〉』(2003年10月)
  • 『ポプラ社 こども世界名作童話』シリーズ
    • 若草物語(1987年10月)
    • ふしぎの国のアリス(1987年11月)
    • アルプスの少女ハイジ(1987年12月)
    • にんじん(1988年1月)
    • あしながおじさん(1988年2月)
  • 『おいそがしまじょ(おはなしらんど)』(世界文化社、著:喰始
  • WEB絵本ザ・ストーリーゲート
    • 『泣いた赤鬼』
    • 『ジューンブライドを祝福するリンゴの花』
    • 『ショッピングカーちゃん』(※ 文・絵)
  • 『ころじかる・むにゅ・ぱっ キュピリちゃんのラブコメ・ファンタジー』(1989年8月、講談社、著:名木田恵子)
  • 『エンゼルのとんだ日』(1994年12月、明窓出版、著:麻里火砂子・北井あゆ)
  • 『妖精フローレンス』(2004年4月、サンリオ、著:辻信太郎
  • 『おんなのこのめいさくたからばこ』(2006年10月、学研プラス、著:山本和子)
  • 『小犬のカシタンカ』(2006年12月、新風舎、原作:アントン・チェーホフ、訳:難波平太郎)
  • 『ぼくの不思議なこばとちゃん』(2006年12月、新風舎、著:ふじいまり)
  • 『心ときめく☆夢みる プリンセスの物語』(2013年7月、ナツメ社、著:立原えりか)
  • 『いつかきっとバレリーナ』(2014年10月、ひさかたチャイルド、著:石津ちひろ) ※ポップアップ絵本
  • 『3にんのおひめさま』(2017年5月、学研プラス、著:間所ひさこ)
  • 『星のなる木』(2020年3月、星の環会、著:くすのきしげのり)

カバーイラスト

  • 『赤毛のアン』シリーズ(ポプラ社)

著書

  • 『愛の花束』(1971年、サンリオ出版)
  • 『風の花束』(1977年9月、サンリオ)
  • 『となりのリブちゃん』(1978年7月、立風書房)
  • 『あした愛をください おしゃべりノート』(1978年、立風書房)
  • 『少女時代によろしく』(2003年4月、河出書房新社)
  • 『ジェルソミーナ』(2003年、トムズボックス)
  • 『恋の魔法』(2004年7月、ポプラ社) ※ポストカード集
  • 『とりとめのない日々』(2008年、トムズボックス)
  • 『田村セツコ HAPPYをつむぐイラストレーター』(2012年10月11日、河出書房新社、編:内田静枝)
  • 『すてきなおばあさんのスタイルブック』(2013年3月、WAVE出版)
  • 『おちゃめな老後』(2013年10月、WAVE出版)
  • 『おちゃめな生活 あなたの魔法力を磨く法』(2016年1月、河出書房新社)
    • 『あなたの魔法力を磨く法 おちゃめな生活』(2020年1月、河出書房新社) ※増補新装版
  • 『大橋鎭子さんが教えてくれた「ていねいな暮らし」』(2016年4月、洋泉社) ※坂東眞理子、こぐれひでこ、石黒智子らとの共作
  • 『カワイイおばあさんの「ひらめきノート」』(2016年8月、洋泉社)
  • 『おしやれなおばあさんになる本』(2017年2月、興陽館)
  • 『孤独をたのしむ本 100のわたしの方法』(2018年5月、興陽館)
  • 『HAPPYおばさんのしあわせな暮らし方』(2019年11月、興陽館)
  • 『おちゃめ力宣言します!』(2020年5月、河出書房新社)
  • 『孤独ぎらいのひとり好き』(2020年8月、興陽館)
  • 『あなたにあえてよかった』(2022年3月、興陽館)※A5版
  • 『人生はごちそう』(2022年4月、あさ出版)
  • 『白髪の国のアリス 田村セツコ式 紙とえんぴつ 健康法』(2022年8月、集英社)
  • 『85歳のひとり暮らし ありあわせがたのしい工夫生活』(2023年2月、興陽館)
  • 『田村セツコ 85歳のHappy Surprise!』(2023年9月、小学館)

ギフト・ブック

  • 『ひとりぽっち』(1970年、サンリオ山梨シルクセンター出版部)
  • 『愛の花束』(1971年、サンリオ山梨シルクセンター出版部)
  • 『幸福の花束』(1975年、サンリオ山梨シルクセンター出版部)
  • 『風の花束』(1977年、サンリオ山梨シルクセンター出版部)

テレビ

  • ライオンのいただきます(フジテレビ) - 準レギュラー
  • 松平健・高将の名言(2017年7月23日、BSジャパン) - ゲスト
  • あしたも晴れ!人生レシピ 私らしく輝いて(Eテレ)
  • 二代目 和風総本家(2019年11月21日、テレビ東京)- 「歩いて発見!気になる東京学 山手線編」で原宿を紹介

外部リンク

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