「三国志 Three Kingdoms」の前人未踏のスケールの大きさを最も端的に表すのが、その準備から完成に至るまでにかけられた時間と費用だ。総製作費は中国ドラマ史上最大となる25億円。そしてそれ以上に、脚本の制作に4年もかけているというのが驚きだ。その理由は、これまでに製作されてきた「三国志」作品が、必ずしもファンを納得させるものではなかったから。例えば、原作屈指のエピソードのひとつ“趙雲の長坂の戦い”は、「レッド・クリフ」ではわずか約10分だ。だが本作で割かれているのは、まるまる1話（45分）。他作品とは比べものにならないほどの丹念な描写が積み重ねられ、熱心なファンをも唸らせるものとなっている。さらに本作は小説「三国志演義」をベースに、史実に沿った客観的視点が加えられ、悪役として描かれることが多かった曹操の人間像に踏み込んだ新たな解釈のストーリー。撮影に丸1年、その後の編集にさらに1年をかける手の入れようだ。
　大軍勢による合戦シーンは、三国志の大きな魅力のひとつ。ハリウッドのCGが大胆に導入されて、迫力の合戦シーンを作り上げた「レッド・クリフ」も記憶に新しいが、「三国志 Three Kingdoms」で動員されたのは、中国人民解放軍の実際の兵士15万人とのべ1万頭の馬。「兵士は非常に訓練されているんです」と語るガオ・シーシー監督は、あくまでも“リアルな戦い”にこだわり抜き、観る者が1800年前の戦場にいるかのような臨場感を作り出した。

　実在の人馬を投入した迫力と臨場感がウリの「三国志 Three Kingdoms」だが、実は、CGによる特殊効果面でも他ドラマの追随を許さないクオリティを誇っている。実写映像をより“リアル”に見せる映像表現として、背景としての建物や軍勢のスケール感をアップさせる映像処理に携わったのは、アカデミー賞受賞の「ロード・オブ・ザ・リング」3部作に関わった中国人スタッフら200人だ。

　「三国志 Three Kingdoms」の壮大なスケールは、劇中に登場する人物の圧倒的な数にも象徴される。おなじみの劉備、孔明、関羽、張飛はもちろん、本作では中心人物として新たな解釈で描かれる曹操ほか、重要な役割を持つ主要人物だけでも約100人。さらに、役名が設定されている人物となると約300人が登場するという大スケールだ。シリーズを通して描かれるのは、曹操による董卓暗殺未遂から司馬一族が晋朝を築くまでの約80年間。個性豊かな登場人物たちにより、濃厚・濃密な歴史ドラマが展開されるのだ。特に今回発売となる後編では、三国志のクライマックスのひとつ、司馬一族の三国統一に向けての軌跡が描かれていくのも必見だ。
　80年間を全95話で描くのが、この「三国志 Three Kingdoms」。本作では、“三顧の礼”“連環の計”“赤壁の戦い”といった有名エピソードはもちろんだが、これまでの「三国志」作品では描かれることのなかった数々のエピソードまで描かれているのが重要なポイントだ。特に本作では、曹操が物語の中心人物ということもあり、曹氏の後継者争いについても丁寧に言及。後編の中盤では、このスリリングな後継者争いに人気キャラクター関羽の命運が絡み、物語は大きなうねりを見せる。そして終盤では、司馬懿率いる司馬一族の三国統一の歩みが描かれ、宿敵・孔明との知力を尽くした決戦が描かれるのだ。


　“ベスト・オブ・三国志”、史上最高の「三国志 Three Kingdoms」だけに、DVD-BOXの商品仕様もまさに“史上最高”！
　全95話の本編を前篇（1～42話）と後篇（43～95話）に分け、超豪華DVD-BOXで発売。絶賛発売中の前篇DVD-BOXには、葛飾北斎の弟子・葛飾戴斗による400枚超の浮世絵を収録した完全収録「絵本通俗三国志」挿絵集や、ストーリー・解説ブック、特典ディスクが特典として豪華桐箱ケースに収められている。3月25日に発売となる後篇DVD-BOXには、三国志・戦国武将イラストの大家である諏訪原寛幸氏書き下ろしのイラスト複製原画セットに加えて、PS3/Windows版『真・三國無双 Online ～蒼天乱舞～』の激レアアイテム（劇中の呂布着用と同デザイン「三国紅凰套」）入手シリアルまでが同梱！　さらには、前・後篇購入者全員特典となるオリジナルグッズも用意されている。

　前・後篇DVD-BOXは各限定2万セットで、「三国志」ファン必携の重要アイテムとなるのは間違いない。