「マイウェイ 12,000キロの真実」特集2:「プライベート・ライアン」を超えた!? 業界内外で早くも話題沸騰 「マイウェイ 12,000キロの真実」、これが本物の証。

 すさまじい爆発と銃弾、そして怒号。非日常的な状況が大音量でスクリーンに展開する戦争スペクタクルは、最も"映画らしい"ジャンルのひとつ。「マイウェイ」と同じノルマンディー上陸作戦を描いた62年の「史上最大の作戦」ほか、古くから人気を集めてきたジャンルだ。70年代後半からは、ベトナム戦争に焦点を当てた作品が次々と登場し、「地獄の黙示録」「プラトーン」「フルメタル・ジャケット」など、極限状況でこそ浮かび上がる人間の本質に斬り込んだ傑作が誕生。以降は、スピルバーグのオスカー受賞作「プライベート・ライアン」はもとより、クリント・イーストウッドの「硫黄島二部作」など、まさに"観る者を戦場に放り込む"作品が登場している。「マイウェイ」もまた、こうした圧倒的なスペクタクルを描いており、それらを「超えている?」とさえ噂されているのだ。
 「マイウェイ」はまた、戦争という時代背景によって友情を引き裂かれた2人の青年が、愛憎を背負いながらも絆を再び築き上げていく姿を描き出す。辰雄とジュンシクが、マラソンのオリンピック代表を目指してお互いに切磋琢磨していく序盤の展開は、スポーツにおける"ライバル関係"。同じマラソン選手を描いた「炎のランナー」や、フリーダイビングの世界を描いたリュック・ベッソンの傑作「グラン・ブルー」を思い起こさせる。互いを憎み合いながら、同じ目的のために絆で結ばれていく、という点では、手錠で結ばれた脱獄者の逃避行を描く「手錠のままの脱獄」や、賞金稼ぎと犯罪者のロード・ムービー「ミッドナイト・ラン」が名高い。「ロッキー」シリーズのロッキーとアポロの関係や、「トイ・ストーリー」当初のウッディとバズの関係もこの系譜に当てはまる。
 "傑作映画"の特色のひとつとして挙げることができるのが、"実話である"=トゥルー・ストーリーであるということ。先の2つで挙げた「硫黄島二部作」や「炎のランナー」、「グラン・ブルー」もこの条件に当てはまる。この作品群を眺めてみると、アカデミー賞受賞作品が目立つのも特徴的だ。「エリン・ブロコビッチ」や「ビューティフル・マインド」といったドラマティックな人生を送った人物に焦点を当てた作品以上に、「生きてこそ」「アポロ13」「ホテル・ルワンダ」「戦場のピアニスト」等々、過酷で壮絶な状況下で苦闘し、目的を成し遂げていく人々の姿を追った作品が胸に刺さる。「マイウェイ」もまた、3カ国の軍服に袖を通し、1万2000キロの旅をした男の姿を描く、数奇な運命の物語なのだ。