
『ハッスル&フロウ』は、一度は夢をあきらめ、ストリートで汚れた商売に埋もれていたひとりの男が、ヒップホップを通じて自分自身を見つめ直し、再び夢を追いかけていく姿を描いた感動のリベンジ・ドラマだ― 05年のサンダンス映画祭では観客賞を受賞。サントラ・アルバムは全米チャートで大ヒットを記録……そして本年度のアカデミー賞®では、最優秀歌賞(“It's Hard Out Here for a Pimp”)という栄冠を手にした。
主人公のDジェイ役を演じるのは、現在ハリウッドでもっとも注目を集める実力派黒人俳優のテレンス・ハワード(『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』『クラッシュ』『Ray/レイ』)。すべてのラップ・シーンを吹き替えなしで演じなくてはいけない難役を見事にこなしきった彼の演技は、全米のメディアから大絶賛され、アカデミー賞®の主演男優賞にもノミネートされた。
そのハワードの熱演を脇で支える強力な共演陣に『ロミオ・マスト・ダイ』のアンソニー・アンダーソン、『8Mile』でエミネムの元恋人役を演じたタリン・マニングらのほか、Dジェイの夢の鍵を握るスキニー・ブラック役に、アトランタを拠点に快進撃を続ける超人気ラッパー、ルダクリスがキャスティングされている点も見逃せない。
監督を務めるのは、物語の舞台と同じくメンフィス出身のクレイグ・ブリュワー。本作の全米での成功を受け、現在ハリウッドから引っ張りだこな存在となっている期待の新鋭監督だ。また、ブリュワーの才能を信じてプロデューサー役を買って出たのは、『ボーイズ’ン・ザ・フッド』『シャフト』『ワイルド・スピード×2』のジョン・シングルトン。彼は製作費のほとんどを自己負担してまで、この作品を映画化せずにはいられなかった。誰もがくぐり抜けてくる心の葛藤を描いた、人間的でとても普遍的なストーリーが、観るもの全てに訴えかける。 |
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