川口春奈「ママせか」参加に“強い覚悟” 山戸結希監督に全幅の信頼「すべてが印象に残っています」
2026年9月7日 22:40

「ステージ4の大腸がん」を宣告された女性の実話を描く映画「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」のお披露目試写会が9月7日に大手町の日経ホールで行われ、主演の川口春奈とともに共演者の高杉真宙、松本穂香、中島瑠菜、清水くるみ、笠原秀幸、一ノ瀬颯、星野真里、森田望智、デビット伊東、小林聡美、そして山戸結希監督が出席した。
ステージ4の大腸がんを患いながらも、生まれてくるわが子のために過酷な運命にあらがった遠藤和さんのベストセラー手記を映画化した本作は、抗がん剤治療を中断してまで子どもを産むという決断に向き合った遠藤夫妻の実話をもとに描き出した感動作。「溺れるナイフ」などで繊細な感情表現と描写が評価される山戸監督がメガホンをとった。

主演を務めた川口は、「公開まで約一カ月ありますが、今日こうやってお客さまの前に届けられることがうれしいです。皆さんがどう感じ取って、受け取っていただけるのか、不安や緊張している部分もありますが、撮影の時からさまざまな思いがあったので、今は観ていただけること、ここまで来られたことで感謝の気持ちでいっぱい」と感無量の表情。
本作のオファーを受けた際の心境について「映像化にあたり、原作はもちろん、山戸監督の思いにも共鳴したので、私の身体で和さんの生きざまを表現できたら、という思いでやらせていただきました」と強い覚悟を持って挑んだことを明かした川口。「和さんの家族が悩んで、さまざまな決断を迫られ、覚悟を持って生き抜いていく強さに勇気づけられました。家族の強さをあらためて感じて、自分も勇気をもらいましたし、自分自身と向き合うきっかけになりました」と振り返った。

さらに本作のメガホンをとった山戸監督の現場づくりや演出について「すべてが印象に残っています」と振り返った川口。「今思うとなんてぜいたくな時間の使い方だったのか、そしてお芝居を見ていただく環境だったのかと思います。こんなにもリアルを切り取ってくださっている気持ちになれたのは初めてで、お芝居をしているというより、気づいたらドキュメンタリーを撮られているような、そんな気持ちに毎日なった気がします」と全幅の信頼を寄せている様子。
そんな山戸監督の繊細な演出は、他のキャストたちにも多大なる影響を与えていたようで、清水が「山戸監督が紡ぐ言葉はすごく美しくて、裏で話をしていた時も“濁流のように涙が出る”とおっしゃっているような。まるでシェイクスピアのようでした」と絶賛すれば、一ノ瀬も「監督はすごく言葉選びに気を遣ってくださって。われわれ俳優が演じていて不安になることがないよう寄り添ってくれた」と感謝の思いを口にした。

また和の激動の人生を歩んだ夫・将一を演じた高杉は、「川口さんが役として生きることも、すべての時間が大変だったと思います。だからこそ僕らキャストやスタッフで最大限のフォローをしようと思っていたのですが、そんなこと関係なく。多くの方に気を配って撮影をしているのを見て、僕らもそんなすてきな川口さんと一緒に撮影をしたいと思いました」と座長としての川口のたたずまいを称賛。
また、和の両親を演じた小林とデビット伊東も、和さんの家族の温かさについて感じることも多かった様子で、イベント中に伊東が思わず涙ぐむひと幕も。そんな両親役のふたりのコメントを聞いていた川口は「いくつになっても子どもは子どもだし、見守るのも愛だし、本人を尊重するのも愛。家族っていいな、唯一無二だなと。大きな存在で守ってくれた撮影期間でした」とかみしめるように語った。

そんな本作にかける思いを山戸監督は力強い言葉で観客に投げかける。「映画は人が生きていくためにあるということを一緒に信じてくださる皆さんと一緒につくることができた喜びを感じています。そうした力強い皆さんのおかげで、全国の映画館でかけていただくことになり。年齢も性別も異なる方々が、その瞬間はスクリーンに共鳴して、『この物語は自分のためにあるかもしれない』と心を重ねていただけるような。そんな奇跡のようなチャンスをいただけました。それでも、もし『自分のためじゃない』と思う方がいらっしゃるなら、それは監督である自分の責任です。そう言い切れるくらい、スタッフ、キャストは情熱的に、心身をささげてくれました。この映画を観て、映画館を出たおひとりおひとりの人生のために、この映画があり得るということ。そんな未来があることを願っています。それこそが、遠藤和さんの命に対する、もっとも誠実なことだと信じています」とその思いをせつせつと語った。
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