「第41回サンタバーバラ国際映画祭」正式出品の映画「#拡散」白金監督が舞台挨拶で信念など語る
2026年2月17日 16:00

映画「ゴールド・ボーイ」で製作総指揮をとった白金(KING BAI)が自ら企画し監督も務めた映画「#拡散」が、米カリフォルニア州サンタバーバラにて、2月4日から14日に開催された「第41回サンタバーバラ国際映画祭」のコンテンポラリー・ワールド・シネマ部門に出品された。
本作は、コロナ禍を乗り越えてもなお、真偽不明な怪情報やフェイクニュースが世に溢れ、ネット上で瞬く間に拡散され、真実が覆い隠された現代社会のカオスな実像を空恐ろしくなるほどのリアリティと圧巻のエネルギーで痛烈に描き切った、衝撃の社会派ドラマ。「僕がこの町で死んだことなんかあの人は知らない」でシナリオ作家協会主催・大伴昌司賞を受賞し脚光を集め、その後も「あゝ、荒野」「正欲」「アナログ」、NHKプレミアムドラマ「仮想儀礼」、「ぼくが生きてる、ふたつの世界」など数々の作品を手掛けている港岳彦が脚本を担当している。
(C)2026 #VIRAL PRODUCTION COMMITTEE単なる社会批判ではなく、変わりゆく世界で人間の本質を見つめようとする本企画の覚悟と熱意に共鳴し、人気と実力を兼ね備えたキャスト陣が参加した。「くれなずめ」「雨の中の慾情」などの作品で、独自の存在感とアプローチで知られる成田凌が出演を決断し、生活者である浅岡信治という“私たちの分身”が変貌していく一部始終を演じ切っている。そんな信治を焚きつける記者・福島に扮するのは、初主演舞台「欲望という名の電車」に続き、新たな舞台「ピグマリオン」に主演の沢尻エリカ。
1986年創設されたサンタバーバラ国際映画祭は、ハリウッドに近い立地を活かし、アカデミー賞シーズン直前に開催される“賞レース重要拠点”のひとつとして知られている。そんなハリウッド業界関係者や主要メディアが集結する同映画祭においてUSプレミア上映を果たし、白金監督が舞台挨拶を行い、北米市場に向けた本格的な一歩を刻んだ。
(C)2026 #VIRAL PRODUCTION COMMITTEE13日の上映後、白監督と仲野潤一プロデューサーが登壇し、観客とのQ&Aセッションを開催。平日午前にもかかわらず多くの観客が詰めかけ、会場は熱気に包まれた。同国際映画祭プログラムディレクター、Claudia Puig氏は本作を「感情的に強く引き込まれる作品。ときにブラックユーモアも感じさせ、興味深い物語と力強いキャストが印象的だった。とりわけCOVID初期に私たちが共有したトラウマや疎外感を鋭く描いたその視点は、観る者の間に多くの議論を呼ぶことだろう」と作品を高く評価。
質疑応答では、「自分の周りのことや、あのコロナの時代を思い出して、映画を観た後に泣いてしまった」という観客の感想に、「ありがとうございます。政府もマスメディアも矛盾の情報を出し、SNSでは過激な情報が現在進行形で飛び交っている。だからこそこのような作品を作らなければならないと思った」と白監督は企画立ち当時の思いを語った。
またロケ地に富山県を選んだ理由を聞かれ、仲野プロデューサーは「美しくも雄大な連峰に囲まれた街が、この題材に非常にあっているとシナハンで感じたからです。ある意味閉鎖的なコミュニティであることもこの題材にとって重要な点と監督と話し考えました。こちらは富山という日本の地方の田舎町で撮影したのですが、ご覧の通り風景も美しいです。食事も魚も日本酒もビールも美味しい土地は撮影クルーにも最高でした」と答え、会場の笑いを誘った。
(C)2026 #VIRAL PRODUCTION COMMITTEE主演の成田の演技を称賛されると、「主役の成田凌さんは120%を出してくれた。この映画に対して非常に力を注いでくれました」と白監督も大絶賛。そして、映像美が高く評価されている本作らしく、「カメラが定点であったり、色味が独特だった。これは意図的か?」という撮影方法に関する質問が寄せられると、「通常シーンとシーンの間でブラックアウトしたりしますが、シーンを割ることではなく、心境を繋げるために実験的に行なった」と白監督より撮影方法を説明した。
最後に、観客より「皆が忘れたいような題材で作品を作った理由と、誰も見たく無いのではという心配はなかったのか?」という質問が飛び出し、白監督は「21世紀上半期の一番の出来事であり誰もが忘れたい話題で、他の映画作家はこの話題を避けるとしても、これは作るべきものと考えた。100年後やこの後の子孫がどうこの時代を見るかについて良いディテールになると考えた」と信念を明かした。
そして、「嘘と噂の拡散」という現代的なテーマや作品に込めたメッセージについて質問が上がるなど、観客の作品への関心の高さがうかがえるティーチインとなった。Q&A終了後もロビーでは質問が相次ぎ、監督とプロデューサーを囲む小さな輪が自然とできて、作品が観客一人ひとりに強い余韻を残したことを感じさせる、手ごたえを得る上映となった。
(C)2026 #VIRAL PRODUCTION COMMITTEEスマホで作品を見る時代に、映画館に多くの方が集まる事に希望とエネルギーをサンタバーバラ国際映画祭から貰いました。
プログラムディレクターやレッドカーペットでの記者、観客の好反応を得てコロナ禍の時代を改めて振り返るべきだと思いました。改めて今作れた事嬉しく思いました。
アメリカ国内でも製作に躊躇される題材を日本のプロダクションで作れた事は日本の制作チームとして意義があると思います。
これからも劇場映画を作り続けようと思います。
「#拡散」は2月27日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。なお、同劇場にて、成田と沢尻、白監督をはじめ、共演の山谷花純、赤間麻里子、船ヶ山哲、鈴木志音が登壇する初日舞台挨拶が開催される。
(C)2026 #VIRAL PRODUCTION COMMITTEE
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