米ドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督死去 96歳
2026年2月17日 08:08

アメリカのドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督が2月16日(現地時間)死去した。家族とワイズマン監督の制作会社が発表した。96歳だった。
1930年生まれ、米ボストン出身。イェール大学ロースクール卒業後、仏パリでも法律を学び、帰国して弁護士になる。軍隊生活を経験した後、弁護士として働く傍らボストン大学やハーバード大学で教鞭をとった。シャーリー・クラーク監督「クールワールド」(64)のプロデュースを機に映画界に足を踏み入れ、「チチカット・フォーリーズ」(67)で監督デビュー。
家族とプロダクションは「フレデリック・ワイズマンは60年近くにわたり、比類なき作品群を創り上げた。主に米国とフランスにおける現代の社会制度と日常的な人間の経験を、壮大な映像記録として捉えた」とコメントしている。
1970年に制作会社Zipporah Filmを設立し、ドキュメンタリー45本の全作品を自ら製作。米国の刑務所や病院、高校といった組織の構造に鋭く切り込み、社会の複雑さ、物語の力、そして人間主義的な視線が高く評価された。日本でも「コメディ・フランセーズ 演じられた愛」(96)、「パリ・オペラ座のすべて」(09)、「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」(17・ベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞受賞)、「ボストン市庁舎」(20)など数多くの作品が劇場公開されている。
2014年にはベネチア国際映画祭で生涯功労賞(金獅子賞)、2016年にはアカデミー賞の名誉賞を受賞。ほか、劇映画に「セラフィータの日記」(80)、「最後の手紙」(02)など。2024年・第77回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に選出されたカーソン・ランド監督の劇映画「さよならはスローボールで」(24)では、ラジオアナウンサーの声を担当した。
親子3代にわたりミシュラン三つ星を55年間持ちつづけるフレンチレストラン「トロワグロ」の秘密に迫ったドキュメンタリー「至福のレストラン 三つ星トロワグロ」(23)が遺作となった。2024年の映画.comのオンラインインタビューでは、健康上の問題で、新作の準備が難しくなっていると明かしていた。
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