湊かなえ原作「未来」監督・瀬々敬久×主演・黒島結菜で映画化 松坂桃李、北川景子らが豪華共演【特報&ポスター】
2025年11月14日 06:00

黒島結菜の主演で湊かなえの小説を実写映画化する「未来」が、2026年5月にTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開されることが決定した。監督は、「ラーゲリより愛を込めて」「護られなかった者たちへ」の瀬々敬久。特報とティザービジュアル3種が披露された。
原作は、「告白」「母性」「白ゆき姫殺人事件」など、著作が次々と映像化されている湊氏の同名小説。7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われている今日の日本の奥に潜むネグレクト、ヤングケアラー、性暴力など、“見えない声”を掬い上げ、社会の片隅で押し殺されてきた現実をスリリングで切実な物語として描き上げた集大成的傑作だ。
©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社複雑な家庭環境で育ちながらも、教師になる夢を叶えた篠宮真唯子。彼女の教え子・佐伯章子のもとにある日、一通の手紙が届く。差出人は、「20年後のわたし」。返事を書くことで、父の死や、心を閉ざした母との孤独な日々に耐えていた章子だが、母の恋人からの暴力、いじめ、そして信じがたい事実に追い詰められていく。絶望の果て、禁断の計画を立てる章子。そんな章子を救おうとする真唯子は、社会の理不尽さに押しつぶされそうになりながら、それでも手を差し伸べようとするが――。
©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社過酷な環境に置かれている教え子に手を差し伸べようとする教師・真唯子を演じた黒島は、「何度も辛く苦しい気持ちになりました。とてもハードな撮影の中、子どもたちの熱く切実な思いを感じ、私は何ができるんだろうと日々考えていました」とコメントを寄せた。
「未来のわたし」から手紙を受け取る少女・章子役は、「渇水」(23)で多数の新人賞にノミネートされた山﨑七海。次々に襲いかかる過酷な現実に呑み込まれそうになりながらも懸命に生きる章子を演じるにあたり、「どこかに同じような苦しみを抱えている人がいるのなら、私は章子という役を誰よりも責任をもって演じよう、と心から決意しました」と力強く語った。
©2026 映画「未来」製作委員会 ©湊かなえ/双葉社章子の両親、佐伯良太・文乃夫妻役を任されたのは、共に「ラーゲリより愛を込めて」に続いて瀬々作品に参加した松坂桃李と北川景子。松坂は台本を読んだ印象について、「誰しもが抱えているかもしれない、『過去』と片づけられない傷や記憶。時に向き合い、寄り添い、許していこうとまた向き合う。そうやって人は一つの希望に辿り着くのかもしれません」とコメント。
北川も「守りたいものも上手に守れない、自分のことも大切にできない、脆く壊れそうな文乃を演じることは容易くありませんでした」と撮影を振り返り、「不幸な境遇にあって逃げ場のない子どもが、希望が持てるような作品になっていると思います」と手応えを明かした。
さらに、坂東龍汰が真唯子の恋人・原田勇輝役で出演。細田佳央太と近藤華が、真唯子や章子の人生に大きな影響を与える樋口良太と森本真珠をそれぞれが演じる。
社会の現実と人間の情を深く見つめ続けてきた瀬々監督が、“罪と希望の物語”に新たな息を吹き込み、観る者に深い共感と問いを投げかける。湊氏は、「物語に込めた思いがすべて掬い上げられた内容、構成になっており、いち鑑賞者として感動し、泣きました」と最大限の賛辞を贈っている。
「この世界は狂ってます」というナレーションで始まる映像は、冒頭から不穏な空気に包まれている。「未来のわたし」から手紙を受け取った章子を襲う過酷な現実の数々。その送り主に向けて、「どうして私がこんな目に遭うのか、あんたが本物なら知ってるよね?」と憤りをぶつける章子の声が響く。
3種のティザービジュアルには物語の異なる瞬間が切り取られ、厳しい境遇に翻弄される濃密な人間ドラマの一端が描かれている。1枚目には、章子の悲痛な叫びと「20年後のわたし」からの言葉が刻まれた、燃え焦げた便箋。2枚目には、真唯子の射貫くような真っ直ぐな眼差し。3枚目には、ごくありふれた中学校の廊下を駆けていく少女の後ろ姿に、「親を殺すと決めました」という衝撃的なコピーが重ねられている。
キャスト陣と瀬々監督、原作者の湊氏のコメントは以下の通り。
この作品は、子どもの貧困問題について描かれています。
何度も辛く苦しい気持ちになりました。
とてもハードな撮影の中、子どもたちの熱く切実な思いを感じ、私は何ができるんだろうと日々考えていました。
この現実を多くの方に知ってほしい。
子どもたちの未来のために。
その一心でした。
はやく皆さんに届いてほしい作品です。
この作品への出演が決まったときには、どこかに同じような苦しみを抱えている人がいるのなら、私は章子という役を誰よりも責任をもって演じよう、と心から決意しました。
きっと、日々の中で苦しかったり、未来を暗く感じてしまう人がいると思います。
そんな方々が、ほんの少しでも日常や未来を明るく感じられるようになれば――それが何より嬉しいです。
優しさの中に厳しさのある方でお芝居に向き合う心得を毎回教えてくださります。
初めて台本を読んだとき、登場人物それぞれの過去や思いが複雑に絡み合い、人の弱さや強さ、そして希望が丁寧に描かれていて、読んでいて何度も胸を締めつけられるような感覚になりました。
いち観客としても自分の出ていないシーンを見るのがとても楽しみです。
この“未来”という作品の中に込められた想いを、映画を通して皆様に感じていただけたら嬉しいです。
真珠さんとの出逢いという、良太にとっては未来にまで続いていく大きなポイントを任せていただけたことは背筋が伸びる思いでしたが、短い撮影期間の中でも濃い時間を過ごすことができましたし、この作品が皆様にどう届くか、とても楽しみです。
私が演じた少女は、深い傷を抱えながらも自分の心を強く持って生きる子です。
目の前にいたら抱きしめてあげたくなります。
作品を見て、絶望の中にも光を見つけ、もがきながら前へ進もうとする姿に、私自身も勇気をもらいました。
この作品が、皆様の思い出の一つとして残れば幸いです。
時に向き合い、寄り添い、許していこうとまた向き合う。
そうやって人は一つの希望に辿り着くのかもしれません。
台本を読んだ時にそう感じました。
瀬々組の静かな熱量に感化されながら演じさせていただきました。
一筋縄ではいかない、このとてつもない作品。
是非劇場でご覧ください。
文乃は過去に傷ついた経験から、時が止まってしまっています。
守りたいものも上手に守れない、自分のことも大切にできない、脆く壊れそうな文乃を演じることは容易くありませんでしたが、瀬々組の温かさに導かれながら撮影を重ねた日々でした。
不幸な境遇にあって逃げ場のない子どもが、希望が持てるような作品になっていると思います。
ぜひ劇場でご覧ください。
物語を信じられるか、言葉を信じられるか、文字を信じられるか。
そんな問いを投げかけられた気がします。
未来を信じられない時代だから、あえて書かれた小説。
裏切られ続けた毎日だから、裏切りに馴れっこになってしまった私たちだから、そこに投下された爆弾。
湊さんの小説はいつもそうです。
だから「イヤミス」と呼ばれるのかもしれない。
『未来』は、未来に裏切られ続けた少女たちが、どうやって救われるのかを描いた映画です。
湊かなえさんの精神を引き継いでこそできたと思っています。
(C)2026 映画「未来」製作委員会 (C)湊かなえ/双葉社
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