木村拓哉、“特別功労賞”授与の山田洋次監督に祝福の熱いハグ【第38回東京国際映画祭】
2025年10月29日 16:00
原作は2022年に日本でも公開し、ヒットを記録したフランス映画「パリタクシー」。舞台を大都市・東京に移し、タクシー運転手の宇佐美浩二(木村)と、彼が東京の柴又から乗せた85歳の高野すみれ(倍賞)の偶然の出会いを通し、心を許し合いながら、人生の喜びを謳いあげるヒューマンドラマだ。上映後には、山田監督をはじめ、共演する倍賞千恵子と木村拓哉が舞台挨拶に登壇した。

この日は、長年の国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい者へ贈る“特別功労賞”が山田監督に授与された。東京国際映画祭チェアマンの安藤裕康氏からトロフィーを受け取った山田監督は、「長生きしたから、たくさん映画を撮ってきた。そのことが褒められて、戸惑いながらも嬉しく思います」と喜びを語った。
助監督として映画界入りした当時を振り返り「いまから70年くらい前のこと。日本映画は黄金時代で、映画は娯楽の王座と言って良かった。いま思うと、豊かでゆとりがあった」としみじみ。現在の映画業界は「厳しい時代」だと指摘し、「いまの映画人は、苦労しながら映画を作っていて、かわいそうだと思うこともあります」と現状を憂えた。
映画興行の環境が大きく変化するなかで、それでも山田監督は「映画は、映画を愛する大勢の人たちと一緒に劇場のスクリーンで見るのがいいなと改めて感じている」と熱弁し、「映画作りは大きなスクリーンで上映されることを前提にしている。いつもそのことを自分に言い聞かせている」と映画監督としての矜持を語った。

その上で、国際映画祭の意義について「こういう時代だからこそ、日本、そして世界中の人たちと映画を鑑賞する映画祭が催されることに感謝しております」と思いを述べ、「来年、再来年とより大きな実りを与え続けてくれることを祈ってやみません」と発展に期待を寄せていた。

山田監督の言葉に耳を傾ける倍賞は、「山田さんの熱い思いがひしひしと伝わってきました。『はい本番行くよ』と言ってから、なかなか本番に行かない現場ですけど(笑)、これからもおいしいものをたくさん食べて、お体に気をつけて、もっともっと映画を撮ってください。また仕事場でお会いできることを楽しみにしております」と労をねぎらった。

また、木村は、山田監督に花束を手渡すと、祝福の熱いハグ。幼少期、東京・柴又に住んでいたといい「人だかりができていて、何かと思ったら『男はつらいよ』の撮影中で、その景色を見ていた」と思い出を振り返り、「今回も柴又で倍賞さんをタクシーに乗せて物語が始まる。山田組の皆さんだけではなく、柴又の空気感がもう1度、脈を打ち出した感じがした」。そして「こういう先輩がいると、もう1度やる気が出ますね」と日本映画界の巨人に最敬礼だった。
第38回東京国際映画祭は10月27日~11月5日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。「TOKYOタクシー」は11月21日公開。
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