坂東玉三郎、スペインの王立劇場で「鷺娘」などシネマ歌舞伎上映決定に喜び オペラへの愛も語る
2025年7月8日 19:00

スペイン語圏の映像文化を日本に紹介する「ラテンビート映画祭2025」のプロジェクト発表会見「スペインと日本、舞台芸術が紡ぐ未来」が7月8日、駐日スペイン大使館で行われた。日本の歌舞伎の舞台公演をスクリーンで上映する「シネマ歌舞伎」が2026年にスペインで正式上映されることを受け、坂東玉三郎が会見に出席した。
スペインを代表する歌劇場「マドリード王立劇場(テアトロ・レアル)」との文化交流プロジェクトとして、同劇場で上演された珠玉のオペラ作品を、日本で初めてスクリーン上映で紹介し、さらに、日本の伝統芸能である歌舞伎を映像化した「シネマ歌舞伎」が、2026年にスペインで正式上映されることが発表された。
「シネマ歌舞伎」は歌舞伎の舞台公演を高性能カメラで撮影し、スクリーンで上映する映像作品。2005年の「野田版 鼠小僧」を皮切りにバラエティ豊かな作品が公開されてきた。スペインでは玉三郎の代表作のひとつである「鷺娘」や「京鹿子娘二人道成寺」など全8作品が、2026年にマドリード王立劇場で上映される予定だ。

歌舞伎俳優としてのみならず、映画監督、演出家としても活躍し、人間国宝として日本を代表する表現者であり芸術家の玉三郎。「シネマ歌舞伎は約20年ほど前から収録され始めました。実は当初、実演を映像として見ていただくことに気乗りがしなかったのですが、今回の王立劇場や、僕の行けない場所で上映されることに喜びを持っております。そして、(マドリード王立劇場での)オペラが素晴らしいディレクションによって映像化されていることをうらやましく思っていました。なんとなく始まった『シネマ歌舞伎』だったので、最初は映像作品としての質の高さは求められませんでしたが、芝居ですので繊細なカット割りが必要でした。それにはきちんとした仕上げが大事だと思い、ほとんどの作品に自分が関わってきました」と、自身と「シネマ歌舞伎」の歩みを説明し、「世界の皆様に喜んでいただけるかはわかりませんが、マドリードの皆さんに見ていただいて、未来につながることを望んでいます」と期待を込めた。
今年は、2024年、25年にマドリード王立劇場で上演された名作オペラ「エフゲニ・オネーギン」(7月18日~24日)、「アドリアーナ・ルクヴルール」(7月25日~31日)が日本の映画館で上映される。マドリード王立劇場のジェネラルマネージャー/CEOのイグナシオ・ガルシア=ベレンゲル・ライタ氏は伝統ある劇場の歴史とともに「我々はすべての上演作品を撮影しており、オーディオビジュアルにも力を入れています。名誉会長である国王と王妃が上演の開会に出席し、『エフゲニ・オネーギン』はグスタボ・ヒメノ、『アドリアーナ・ルクヴルール』は二コラ・ルイゾッティが監督しています」と、今回上映する2作品を紹介した。

玉三郎は「僕がオペラを観始めたのが1970年代。素晴らしい演出家、豪華な舞台装置、そして歌い手がいらっしゃって、日本で上演されたものはほとんど観ております。もちろん、海外にも観に行きました」とオペラ鑑賞歴を明かす。日本、スペインの舞台芸術の交流の意義を問われると「その意味はこれから出てくると思います。とにかくお互いの作品を観ることが大事です」とコメントし、「王立劇場が招いていてくださることはあり得ないと思っていたので、本当にうれしく思っています」と「シネマ歌舞伎」の世界的な飛躍の喜びを語った。
ミゲル・ゴメス・デ・アランダ駐日スペイン臨時代理大使は「ふたつの国と芸術交流は素晴らしいものです。様々な国、異なる文化をつなげていく、このような貴重で希少な経験を堪能していただきたい」と呼びかけた。上映スケジュールなど詳細は「ラテンビート映画祭」公式HP(https://lbff.jp/)で告知している。
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