ケイト・ブランシェットが驚異の役作りで“怪演” 「TAR ター」あらすじ・キャスト・トリビア

2023年3月11日 12:00


「TAR ター」
「TAR ター」

3月12日(現地時間:日本時間は13日)に開催される第95回アカデミー賞授賞式。作品賞にノミネートを果たした「TAR ター」(日本公開:5月12日)は、監督賞、主演女優賞、脚本賞、撮影賞、編集賞と6部門の候補にあがっています。

映画.comでは、同作の概要&あらすじ、キャスト、トリビアをまとめました。本記事でしっかりと予習を行ってから、興奮必至の授賞式に臨みましょう!


●目次
[概要&あらすじ]
[評価]
[スタッフ&キャスト]
[トリビア1:リディア・ターって誰?]
[トリビア2:ケイト・ブランシェット、驚異の役作り]
[トリビア3:世界的才能が制作チームに参加]


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【概要&あらすじ】

イン・ザ・ベッドルーム」「リトル・チルドレン」のトッド・フィールド監督が16年ぶりに手がけた長編作品。ケイト・ブランシェットを主演に、天才的な才能を持った女性指揮者の苦悩を描いたドラマ。

ドイツの有名オーケストラで、女性としてはじめて首席指揮者に任命されたリディア・ター。天才的能力とたぐいまれなプロデュース力で、その地位を築いた彼女だったが、いまはマーラーの交響曲第5番の演奏と録音のプレッシャーと、新曲の創作に苦しんでいた。そんなある時、かつて彼女が指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは追い詰められていく。


【評価】

・第88回ニューヨーク映画批評家協会賞/作品賞、主演女優賞
・第48回ロサンゼルス映画批評家協会賞/作品賞、監督賞、脚本賞、主演俳優賞
・第43回ロンドン映画批評家協会賞/作品賞、主演女優賞、監督賞
・第57回全米批評家協会賞/作品賞、脚本賞、主演女優賞、
・第79回ベネチア国際映画祭/ボルピ杯(最優秀女優賞)
・第80回ゴールデングローブ賞/最優秀主演女優賞(ドラマ部門)
・第28回クリティックス・チョイス・アワード/主演女優賞


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【スタッフ&キャスト】

監督・脚本:トッド・フィールド
製作:トッド・フィールドスコット・ランバートアレクサンドラ・ミルチャン
撮影:フロリアン・ホーフマイスター
編集:モニカ・ウィリ
音楽:ヒドゥル・グドナドッティル

<キャスト(役名)>
ケイト・ブランシェット(リディア・ター)
ノエミ・メルラン(フランチェスカ)
ニーナ・ホス(シャロン)
ソフィー・カウアー(オルガ)
マーク・ストロング(エリオット)
ジュリアン・グローバー(アンドリス)


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【トリビア1:天才指揮者リディア・ターは何者?】

リディア・ターをご存じだろうか? その経歴はあまりにも輝かしい。

アメリカの5大オーケストラ(ニューヨーク・フィルハーモニック、ボストン交響楽団、シカゴ交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団)で指揮者を務めた後、世界最高峰のオーケストラのひとつであるドイツのベルリン・フィルの首席指揮者に就任。7年経た今でも活躍を続け、作曲家としての才能も発揮。エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞のすべてを制した「EGOT」(4つの賞を全て獲得した人物に与えられる称号)でもある。ベルリン・フィルで唯一録音を果たせていないマーラーの交響曲第5番のライブ録音への挑戦を控え、さらに自伝も発売される。

そんな驚くべき人物は……残念ながら実在しない。フィールド監督が創造したキャラクターだ。「唯一無二のアーティスト、ケイト・ブランシェットに向けて書いた」という物語の発想について、「子供の頃に何が何でも自分の夢を叶えると誓うが、夢が叶った途端、悪夢に転じるというキャラクターについてずっと考えていた」と語っている。

フィールド監督「リディア・ターは芸術に人生を捧げた結果、自分の弱みや嗜好をさらけ出すような体制を築き上げてしまったことに気づく。彼女はまるで全く自覚がないかのように、周囲に自分のルールを強要する。しかし、作家のジャネット・マルカムが言うように、『自覚していたとしても、非道は許されない』のだ」

リディア・ターは架空の人物ではあるが、本作の撮影後には“ターのアルバム”を制作。ブランシェット、音楽のヒドゥル・グドナドッティル、オルガ役のソフィー・カウアー、フィールド監督は、アビイロードスタジオに通い、コンセプトアルバムをレコーディング。カウアーが演奏に加わったチェロ協奏曲や、ターが作曲したという設定の曲をテーマに演奏されたものや、ターがアマゾンで録音した楽曲などが収録されている。


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【トリビア2:ケイト・ブランシェットが渾身の役作りで“怪演”】

リディア・ターは芸術に全てを捧げ、様々な重圧から徐々に追い詰められていく。そのさまを演じたブランシェットの“怪演”は「ケイト・ブランシェット史上最高傑作」と評され、ゴールデングローブ賞は4度目の受賞、べネチア国際映画祭女優賞、全米・NY・LAの批評家協会賞と名だたる賞を独占している。

ブランシェットが、本作の撮影に参加したのは、2020年9月。当時は同時進行で他にも2作品の撮影に参加していたという。にもかかわらず、役作りのために、アメリカ英語とドイツ語をマスター。ピアノと指揮、プロフェッショナルから本格的に学び、すべての演奏シーンを自身で演じきっている。フィールド監督の話によれば、制作期間中は「撮影終了→即レッスン」という動き方をしていたそうでは、ろくに睡眠もとらなかったそう。リサーチに至るまで抜かりがない……ブランシェットは、まさに“独学の達人”だった。


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【トリビア3:世界的なマエストロが監修 音楽は「ジョーカー」作曲家】

「本物のクラシックの世界を描きたい」というフィールド監督のために、指揮者ジョン・マウチェリが脚本の監修を務めている。マウチェリは、ハリウッド・ボールで毎年開催され、満員の観客を動員している「Movie Nights」の指揮者を数年間務めるなど、クラシック音楽好きが映画音楽に触れられる機会に貢献している人物。さらに「指揮者は何を考えているのか」の著書で知られ、アメリカを代表する指揮者レナード・バーンスタインとも親交が深かった。

撮影では、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地・クルトゥーアパラストの一部が使用されている。さらに、ドレスデン・フィルでコンサートマスターを務めるボルフガング・ヘントリッヒが制作に参加し、とあるシーンでは出演も果たした。

なお音楽を担当したのは、「ジョーカー」で第92回アカデミー賞作曲賞に輝いたヒドゥル・グドナドッティル。“クラシック音楽映画”という枠組みに、ジャズ&民族音楽を忍ばせて、独自の世界観を構築している。


※上記の内容は、「TAR ター」のマスコミ用プレスに掲載された資料などを参考に構成しています。

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