ダリオ・アルジェント最新作「ダークグラス」4月7日公開 サイコパスの殺人鬼に追われ続ける恐怖
2023年2月16日 07:00
ホラー映画の巨匠ダリオ・アルジェント監督の最新作「Occhiali neri (原題)」が、「ダークグラス」の邦題で、4月7日から公開される。
「サスペリア」「サスペリアPART2」「フェノミナ」など、ホラー映画の帝王として知られるアルジェントの、「ダリオ・アルジェントのドラキュラ」(12)以来10年ぶりの最新作は原点回帰のジャッロで恐怖へ誘う、イタリアン・ホラー。2000年代初頭にフランコ・フェリーニとの共同で脚本を執筆しながらも、製作サイドの事情で中止を余儀なくされた企画が実現し、ローマを舞台に、盲目の娼婦と中国人の少年が、サイコパスの殺人鬼から執拗に追いかけられ続け、とにかく殺されないよう逃げ惑う物語。
自身の作品へのオマージュともいえる原点回帰となった本作は、狂気と鮮血、鮮やかな色彩、不穏な音楽とファン垂涎のアルジェント節全開で、2022年ベルリン国際映画祭のプレミアでお披露目されるや、海外メディアから「堪能すべき、素晴らしい復帰作! moviefreak.com」、「かつてのアルジェントらしさが溢れている Hollywood Reporter」、「アルジェント史上最も奇怪で、奇妙なほど美しい Los Angeles Times」と全盛期の復活に歓喜の声が上がっている。
主人公である盲目の娼婦ディアナを演じたのは、「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」(15)でイタリアのアカデミー賞と呼ばれるダヴィド・ディ・ドナテッロ賞の主演女優賞を受賞したイレニア・パストレッリ。そしてアルジェントの娘、アーシア・アルジェントがディアナを支える歩行訓練士役を演じ、アソシエイトプロデューサーを兼任。ノスタルジックなムード漂う音楽は「BPM ビート・パー・ミニット」(17)でセザール賞を受賞したアルノー・ルボチーニが手がけた。
このほどアルジェント監督のコメントも到着。幻の脚本を、決して現代的にするのではなく、自身のスタイルを貫いたアルジェントの集大成として完成させたことを明言している。4月7日から、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開。
▼ダリオ・アルジェント監督コメント全文
「ダークグラス」は、数年前に想像したものの、制作することができなかった作品です。
でも頭から離れることはありませんでした。バイオレンスでくだらない作品を求める市場での需要に左右されることが難点でした。一方で、ようやく自分の悪夢との和解を経験することができました。それ故に、私は恐怖の扉を開き、突き進もうと決めたのです。幼少期からエドガー・アラン・ポーに影響を受けていた私にとって、「ダークグラス」は、運命に刻まれた作家としての旅路の集大成です。そして時代が変わったからといって、物語の本質も解釈のスタイルも裏切りたくはないのです。