ジュリア・ロバーツ&ジョージ・クルーニー、相性抜群! 共演5度目「チケット・トゥ・パラダイス」会見で長年の友情を振り返る

2022年11月2日 10:00


ジュリア・ロバーツ「ジョージも私も、人を笑わせることが大きなモチベ―ション」
ジュリア・ロバーツ「ジョージも私も、人を笑わせることが大きなモチベ―ション」

世界的な大ヒットを記録した「オーシャンズ」シリーズ(2002~)で夫婦を演じたジュリア・ロバーツジョージ・クルーニーが再共演し、元夫婦に扮するコメディ「チケット・トゥ・パラダイス」の会見が、9月に英ロンドンで行われた。本記事では、メインキャストが参加した会見の模様をレポートする。

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ロバーツとクルーニーが演じるのは、“夫婦”としての生活をたった5年で終え、ひとり娘リリーのためだけに、20年も“家族”という関係を続けてきたジョージアとデヴィッド。ある日、まもなく弁護士として働き始める予定だったリリーが、就職前のバカンスでやってきたバリ島で出会ったばかりの青年と恋に落ちる。ジョージアとデヴィッドは、スピード婚目前の娘を止めるため、バリ島へと向かう。「恋という一時の気の迷いで人生を台無しにしてほしくない、自分たちと同じ過ちを犯してほしくない」と願うふたりは、不仲から一転、“一時的な協定”を結び、さまざまな方法で娘の結婚を邪魔しようと画策する。

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会見には、ロバーツとクルーニーに加え、リリー役のケイトリン・デバー(「ディア・エヴァン・ハンセン」)、リリーの彼氏グデ役のマキシム・ブティエ(※本作でハリウッドデビュー)、リリーの親友レン役のビリー・ロード(「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」)、ジョージアのいまの彼氏ポール役のリュカ・ブラボー(ドラマ「エミリー、パリへ行く」)、メガホンをとったオル・パーカー監督(「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」)が参加。本作で5度目の共演を果たし、相性抜群のロバーツとクルーニーを中心に、ジョークが飛び交うエネルギッシュな雰囲気で、会見がスタートした。

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――まずはパーカー監督に質問です。本作は、ジュリアさんとジョージさんに当て書きをされたのでしょうか。

パーカー監督「その通りです。彼らしか念頭になかったですね。ふたりがいなかったら、僕がここに座っていることはなかったし、この作品を作ることもなかったでしょう。いまでも『あなたは分かっていない。この作品はあなたでなければダメなんだ』という手紙を書き続けていたでしょうね(笑)。本作は彼らのために考案し、書いたもので、出演してほしいと懇願したところ、ふたりは情けをかけてくれました」

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――おふたりが同意してくださってよかったです。ジュリアさん、脚本で心に響いた部分を、教えてください。

ロバーツ「ジョージに嫌味を言う機会があるというだけで、本当に惹かれました。彼が哀れなほどに私に恋をしている姿を目にし、私は明らかに吹っ切れているということに、ね(笑)」

クルーニー「聞いてくれ。本作はある男についての物語であるのは明らかで……」

ロバーツ「(即座に訂正し)元妻に恋する男についてで……」

クルーニー「(負けじと)彼は、我慢ならないひどい女の相手をしなければならない」

ロバーツ「彼にはどうすることもできないんです。娘の結婚式という機会を利用して……」

クルーニー「それから女の子たち(娘とその親友のこと)もいて……。彼の方が良い親だ」

ロバーツ「彼女の元に戻ろうとするんです」

一同(爆笑)

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――ジョージさん、デヴィッドというキャラクターの、演じるのが楽しみだった点はどこですか?

クルーニー「僕にとってとても大切だったのは、シットコムの女王、ラブコメディの女王と共演できることでした。ところがその人が出演できなかったので、代わりにジュリアと共演したんです(笑)」

ロバーツ「えーっ!」

クルーニー「これで僕の勝ちだ。どうだ(笑)」

ロバーツ「私に(自分のことだと思わせて)安心させる時間を与えておいてから、そう来るわけ?」

クルーニー「僕が誠実だとでも思ったのか、まさか」

ロバーツ「ここ2日間、ずっとこの調子(笑)」

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――ジュリアさんとジョージさんに生まれたケミストリー以外にも、劇中には、さまざまなケミストリーが溢れていました。ケイトリンさん演じる娘リリーと両親とのシーン、それからマキシムさん扮する彼氏グデとのシーンも素晴らしいですね。リリーというキャラクターについて、そして彼らとの共演について、教えてください。

デバー「ただ、最高というのに尽きますね。スクリーン上で相手との関係を築いたり、親友と初めて出会ったりするシーンを演じるのは、役者として興味深いものだし、それがとてもやりやすくて、すぐに入って行けるのは格別なことです」

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――親友レン役のビリーさんとは、「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」でも共演されています。

デバー「また一緒に仕事ができるのは、最高でした。いつもふたりで冒険している感じで」

ロード「そう、いつも冒険していました。スティンガースーツ(※クラゲなどに刺されないように体を保護するウェットスーツ)を着たのも楽しかった。自分があんなにかっこよく見えたことなんて、これまでなかった。スティンガースーツを着て、顔がこれだけしか見えていないなんて、ケイトリンと一緒でなきゃ、やらなかったと思います。今日、あれを着て来れば良かったですね」

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――次に、マキシムさんが扮したグデは、世を達観している賢者のようなキャラクター。とても美しい、正直なものの見方をする、ある意味、昔ながらの魂の持ち主です。

ブティエ「全くその通りです。彼はバリ島出身の海藻農家で、身の回りの自然との絆が深いんです。彼はオルが描いた通り、理想の王子様ですね(笑)」

ブラボー「オーガニックな感じの、ね」

クルーニー「海藻の王子様だ(笑)」

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――ジョージさんの義理の息子役を演じられて、いかがでしたか。

ブティエ「役が決まったと電話で聞いたとき、正直言って、ジョージと共演し、彼とのセリフもかなりあるということに、大喜びしたんです。ただ感謝の気持ちでいっぱいで、クレイジーな体験でした」

パーカー監督「彼をキャスティングしたあとに電話したら、初めてちょっと緊張した様子で、自信が持てないようでした。だから『大丈夫か? どうしたんだい?』と聞くと、『ジョージの作品を片っ端から見ているんだけど、彼はすごいよ』と。そこで僕は『見るのをやめろ』と言ったんです」

一同(爆笑)

クルーニー「あまり注意深く見るなよ。そこまですごくないから(笑)」

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――続いてリュカさんは、ジョージアのいまの彼氏ポール役を務めました。コミカルなキャラクターですが、演じて楽しかったですか?

ブラボー「このキャラクターの素晴らしいところは、彼が全くトラウマを経験することなく、これまでの人生を生きてきたように思えるということ。彼は無邪気で、あまりにも世間知らずです。まるで30代の男の体のなかに閉じ込められた14歳の子どものようだから、大袈裟に演じることができました」

ブラボー「オル監督は、即興で演技し、いろいろ試してみる自由を与えてくれました。また、ジョージとジュリアにフォローしてもらい、自分の直感に従って演じていくのを助けてもらいました。僕たちは、ただクレイジーなシーンを作っていったんです。このキャラクターは、もともとはこういう感じではなかったんですよ。飛行機でのキスシーンも、ジュリアとあんなふうにキスしたなんて信じられなかった(笑)。僕たちはただ笑い続けて、オル監督に『もう一度やって。いまのは良かったよ』と言われて」

クルーニー「ジュリアがもう1度やりたかったんでしょう(笑)」

ロバーツ「私の契約書にそう書いてあったんです(笑)」

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――ジュリアさんとジョージさんの友情がどのようにして始まったのか、出会いを教えてください。

ロバーツ「最初は、『オーシャンズ11』で出会いました」

クルーニー「そう、スティーブン・ソダーバーグと一緒に会いました。ふたりでホテルの床に座り、5時間もの間、ジョークを言い合ったね」

ロバーツ「そうだったね」

クルーニー「そして、『それでは始めるか』と言ったんです。僕たちはいつでも気の許せる仲でした。思い出すのは、脚本が僕とジュリアに同時に送られてきたあと、ジュリアに電話して、『もう読んだ?』と聞くと、彼女は『いまちょうど読んでいるところ』と言い、僕がそこで『演じるのは、君じゃないとダメだ』と言ったこと。すると彼女も『こっちも同じ』と。幸いうまくいったので、そういう意味で僕たちは、ただ運が良かったのだと思います」

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――クラブでの、酔っぱらったジョージアとデヴィッドのダンスシーンは、素晴らしかったです。ジュリアさんとジョージさんは、酔っ払いの演技がすごくお上手ですよね。それから二日酔いも。

クルーニー「僕は、その研究を長年やってきたんです」

一同(爆笑)

クルーニー「この3人の若手たち(デバー、ロード、ブティエ)が、近くに座っている様子を見るのは楽しかったです。僕とジュリアは『さあ、盛り上げて行こう! やるぞ!』と言ったんですが、彼らはこんな感じ(呆然とする様子)だった。最初のテイクでは口をあんぐり開けて、『冗談だろ』みたいな感じ。ただ、凍り付いていた。あれはどうしようもないほどの恐怖でしたね(笑)」

デバー「ふたりは、本気を出して踊っていました」

クルーニー「僕たちは誇らしかったよ」

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――ジョージさんとジュリアさんは、本作のエグゼクティブプロデューサーも務めています。製作にも携わることの魅力を、教えてください。

クルーニー「この業界で少し長くやっていくにつれ、(俳優業以外の)ほかの関わり方を見出そうとするものだというのは確かですね。キャスティングディレクターが、俳優としての僕自分の老化についてどう思っているかなんて、あまり気にしたくはないものです。だから僕はいつも、脚本、監督、プロデュース業を手がけているんです」

クルーニー「本作では、エグゼクティブプロデューサーを務めましたが、エグゼクティブプロデューサーの仕事とプロデュース業には、大きな違いがあります。実際のプロデューサーは、資金調達などのハードワークをこなしますが、本作で僕たちは、配給などを手伝っているだけですから。ジュリアも数々のプロジェクトをプロデュースしており、彼ら(同席の若手俳優たち)も年を重ねると、きっと理解するようになると思いますが、僕たちはふたりとも、年を重ねるにつれ、ほかのことに手を広げていかなければならないんです。そうでないと、自分のやっていることへの他人の意見に頼らざるをえない。それは危険なことなんです」

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――最後にジュリアさん、インタビューで、「世界が大変な時期を経験してきて、人々に休暇を与えるために本作を作りたかった」とおっしゃっていましたね。

ロバーツ「私の目的は、いつも人を笑わせること。ジョージも私も、人を笑わせることが大きなモチベ―ションだと感じています。だから何かをするたびに、セットの反対側にあるモニターのところから皆の笑い声が聞こえてくるのは、私たちにとって大きな喜びでした。私たちは、『うん、よかった。それじゃ、次に行こう』と思うことができました。このような環境で仕事ができるのは、本当に楽しいことでした。逃げ場のない島で、皆で一緒に楽しい時間を過ごし、お互いのことを知り、とてもユニークな形であの空間を共有できたことは、毎日仕事を終えて家に帰るという普段の生活をしていると、なかなか味わえないことです」

チケット・トゥ・パラダイス」は、11月3日に全国公開。

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