「きさらぎ駅」恒松祐里の生涯ベスト映画、最近感銘を受けた作品は?【あの人が見た名作・傑作】

2022年6月4日 11:00


初主演映画「きさらぎ駅」は本日4日から公開
初主演映画「きさらぎ駅」は本日4日から公開

映画を見に行こうと思い立ったとき、動画配信サービスで作品を鑑賞しようとしたとき、何を見れば良いのか分からなかったり、選択肢が多すぎて迷ってしまうことは誰にでもあるはずです。

映画.comでは、新企画「あの人が見た名作・傑作」をスタートさせます。映画業界、ドラマ業界で活躍する著名人がおすすめする名作、傑作をご紹介していきます。第2回は、初主演映画「きさらぎ駅」が本日公開となる恒松祐里さんです。


【紹介してくれた人:恒松祐里

「きさらぎ駅」撮影時のメイキングカット
「きさらぎ駅」撮影時のメイキングカット

2005年に7歳の時に出演したドラマ「瑠璃の島」で芸能界デビュー。その後、09年に「キラー・ヴァージンロード」で映画初出演を果たしています。15年にはNHK連続テレビ小説「まれ」、16年にはNHK大河ドラマ「真田丸」への出演も記憶に新しいです。映画にもコンスタントに出演し、東京国際映画祭でも上映された山田佳奈監督作「タイトル、拒絶」でも印象に残る演技を披露。21年には、Netflixオリジナルドラマ「全裸監督」シーズン2のヒロイン・乃木真梨子役で体当たりの演技を見せて大きな話題を呼びました。


●「ヘアスプレー」 私も「Good morning Baltimore」を歌いながら登校

「ヘアスプレー」
「ヘアスプレー」

――恒松さんにとって、生涯のベスト映画を教えてください。

恒松:いつも同じ答えになってしまうのですが、ベストは変わらないという意味で……、「ヘアスプレー」です! 小学3~4年生の頃、自宅で父と見たのが最初でした。

――この作品が恒松さんの心を揺さぶり続けるのは何故だと思いますか?

恒松:冒頭から心惹かれました。ドラムのビートに合わせた音楽と共に、主人公が目覚めるところからスタート。私もトレイシーのように目覚めて、「Good morning Baltimore」を歌いながらランドセルを背負って小学校に行っていました。

この作品はとっても明るい作品ですが、悲しい気持ちも根底には流れていて……。それでも前向きな彼らと音楽に背中を押してもらえます。生涯、私の心をシェイクし続ける作品だと思います!

――この作品との出合いは、ご自身の俳優人生にどのような影響を及ぼしましたか?

恒松:私もトレイシーのように、ステージに立つのがより好きになったと思います。自分の個性を愛し、存分に発揮することが大切なんだと教えてもらいました。気分をあげたい仕事の前にはサントラを聞いたり、どんな時も私に勇気を与えてくれる作品です。

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【「ヘアスプレー」作品情報】
2007年に製作されたミュージカル映画。ジョン・ウォーターズ監督が1988年に発表した同名青春映画をもとに、02年にブロードウェイでミュージカル化され、トニー賞を8部門も制した。今作は、そのミュージカルをジョン・トラボルタクリストファー・ウォーケンら豪華キャストが結集した映画化したもの。映画の舞台は1960年代、人種差別の風潮が色濃く残る米南部の街ボルチモア。人気テレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」に憧れる、ちょっと太めの女子高生トレーシーは、番組レギュラーメンバーのオーディションが開催されると知り、喜び勇んで挑戦するが……。


●「カモン カモン」 意味のあるセリフを言わせていないのに、何を思っているか伝わる

「カモン カモン」
「カモン カモン」

――最近見たなかでは、どのような作品に感銘を受けましたか? その作品を観ようと思われたきっかけはどのようなものでしたか?

恒松:「カモン カモン」です。共演していた方から、この作品が気になると教えてもらったのがきっかけでした。

――感銘を受けた最大の要因はどこにあると思われますか? その思いを誰かに伝えましたか?

恒松:人は誰もが孤独で、本当に思っていることを口に出すのに時間がかかって、それは大人でも子どもでも同じ。だけど、その言葉にならない気持ちに寄り添い合う事は互いにできる。そんな事を描いていて好きでした。

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この映画を見てから、大切な友だちに共有しました。私も自分の気持ちを閉じ込めてしまう時期があったのですが、その子が寄り添ってくれた過去があったので……。

――もっともグッときたシーン、ポイントはどのようなところでしたか?

恒松:「blah blah blah...」としか言わないで会話するシーンが何度か登場するんですね。「blah blah blah...」は日本語だと、「なんとかかんとか」みたいに文章で表現するまでいかない時に使う言葉ですが、この映画ではその前の会話の流れから、気持ちとしては一番重要なことを言いたいのに言わない時に使われています。感動的だったり、意味のあるセリフを言わせていないのに、何を思っているのか伝わってきたのが良かったです。

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【「カモン カモン」作品情報】
20センチュリー・ウーマン」のマイク・ミルズ監督が、ホアキン・フェニックスを主演に、突然始まった共同生活に戸惑いながらも歩み寄っていく主人公と甥っ子の日々を、美しいモノクロームの映像とともに描いたヒューマンドラマ。「ジョーカー」での怪演で、アカデミー賞主演男優賞を制したフェニックスが、一転して子どもに振り回される役どころを軽やかに演じている。NYで暮らすラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれて9歳の甥ジェシーを数日間預かることになるが、好奇心旺盛なジェシーの質問攻撃に遭い、困惑する。だが、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示したことをきっかけに、ふたりは次第に距離を縮めていく。


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――「きさらぎ駅」についても聞かせてください。最も注力したのは、どのようなところでしたか?

恒松:ホラー作品のヒロインではありますが、泣きながら逃げたり、怖がる描写があまりなくて……。私の演じた春奈は、冷静に前に突き進む強さがある役だったので、その強さを大切にしました。

――ひとつに絞り切れないとは思いますが、「ここだけは見逃さないで!」というシーンを教えてください。

恒松:中盤にクスっと笑えるシーンが入っていて、そこを楽しんでいただきたいです! ネタバレになるので詳しく言えませんが、その流れの時に映る、私の驚いた顔も面白いです。初めて人の驚いた顔で笑いました! 自分の顔なんですけど(笑)。

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――次の現場へ向かう前に、もしも映画を1本見る時間があるとしたら、どんな作品を見に行きたいですか。

恒松:今は舞台「ザ・ウェルキン」の稽古をしていて、18世紀のイギリスが舞台のお話なので、当時のイギリスを描いた作品が見たいです。また、いま取り組んでいる作品は女性の立場が大きな意味では昔から変わっていないことを描いているので、そういったテーマに沿ったドキュメンタリーや映画も見たいです。

恒松祐里主演映画「きさらぎ駅」(公開中)

インターネット掲示板「2ちゃんねる」発の都市伝説をもとに、一人称視点の映像を交えながら描いたホラー映画。2004年、「はすみ」と名乗る女性が、この世に存在しない「きさらぎ駅」にたどり着いた体験をネット掲示板にリアルタイムで投稿していたが、突然書き込みが止まったことで様々な憶測を呼び、現代版「神隠し」として話題となった。それから十数年後。大学で民俗学を学んでいる堤春奈は、「きさらぎ駅」を卒業論文の題材に選ぶ。投稿者「はすみ」の正体が葉山純子という女性だと突き止めた春奈は、調査の末にようやく彼女と連絡を取ることに成功するが……。監督は、同じくネット発の都市伝説を題材にした「真・鮫島事件」の永江二朗

きさらぎ駅」全国の上映館情報
https://eiga.com/movie/96445/theater/

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