オスカー受賞の撮影監督ロジャー・ディーキンス、写真集を出版
2021年11月1日 22:30
米アカデミー賞ノミネートの常連で、「ブレードランナー 2049」と「1917 命をかけた伝令」でアカデミー賞撮影賞を受賞したロジャー・ディーキンスが、「Byways(原題)」と題した自身初となる写真集を発表した。
劇映画の撮影監督として華麗なキャリアを誇るディーキンスだが、もともとは写真家になることを夢見ていたという。ドキュメンタリー映画を経て、劇映画の撮影を手がけるようになった彼は、たちまち母国イギリスで頭角を現し、「シド・アンド・ナンシー」「パスカリの島」「ストーミー・マンディ」などを担当した。
これらに感銘を受けたジョエル&イーサン・コーエン兄弟が、「バートン・フィンク」の撮影監督に起用し、以来、ほとんどのコーエン兄弟作品を手がけている。
写真集の出版にともない、米IndieWireの取材を受けたディーキンスは、写真撮影は「私にとってはリラックスするための方法だ」「違った場所を探索するのも好きだし、同じ場所を何度も探索するのはもっと好きだ。そして、人間を観察する。写真を撮るのは言い訳に過ぎない」と説明。映画撮影と写真撮影は、「どちらもフレームのなかに構図と光があること以外、なにもない」と語っている。
「映画の仕事で気に入っているのは、仲間意識だ。監督と仕事をすること、自分よりもずっと大きなもののために働くことも好きだ。一方、写真はパーソナルだ。スケッチのようなものだね」
「Byways(原題)」は、イタリアの出版社ダミアーニから出版されている。