“ハーフ”の呼称に違和感を持つ青年2人の旅路を描く「WHOLE ホール」10月15日公開

2021年8月5日 09:00


日本で暮らす“ハーフ”を主人公にした映画
日本で暮らす“ハーフ”を主人公にした映画

第14回大阪アジアン映画祭でJAPAN CUTS Awardを受賞、“ハーフ”という言葉とその偏ったイメージに違和感を感じ、日本生まれ、日本育ちで日本のパスポートしか持っていない川添ビイラル監督と脚本・主演の川添ウスマン兄弟による、日本で暮らす“ハーフ”を主人公にした映画「WHOLE ホール」が、10月15日から公開される。

日本のメディアで活躍するポジティブな印象のタレントとは裏腹に、“ハーフ”という言葉をネガティブな意味で受け止め、自らのアイデンティティーに戸惑い、苦しむ若者も存在する。川添兄弟はタレントではない、日本で普通に暮らすハーフを主人公にした映画を作ることを決意。知り合いの紹介で、同じく日本で生まれ育ったサンディー 海に出会い、春樹役に抜擢した。

純粋な目線で、どこにでも居るハーフの日々の生活を通して、アイデンティティーや日本社会に対する複雑な気持ちを誠実に活写。多様性を目指す現在の日本社会に語りかける本作は、第14回大阪アジアン映画祭でJAPAN CUTS Award スペシャル・メンションを受賞し、北米最大の日本映画祭であるニューヨークのJAPAN CUTS及びソウル国際映画祭に正式出品された。

ハーフの大学生、春樹は親に相談せずに通っていた海外の大学を辞め、自分の居場所を見つけるため生まれ故郷である日本に帰国する。春樹は日本に着くやいなや周囲から違うものを見るような目に晒され、長年会っていなかった両親にも理解してもらえない。ある日、春樹は団地に母親と二人で暮らす建設作業員のハーフの青年・誠に出会う。ハーフと呼ばれることを嫌い、ダブルと訂正する春樹と違って、誠はうまくやっているようにも見えるが、実は国籍も知らず会ったこともない父親と向き合うことができない葛藤を抱えていた。様々な出来事を通して彼らは「HALF/半分」から「WHOLE/全部」になる旅を始める。

10月15日からアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。

▼春樹役:サンディー 海 コメント

「ハーフ」という言葉は、違う言語では違う言い方だったり、違う意味を持ちます。例えば英語でHalfは半分という意味になるため、よくMixed (混ざっている)という言葉を使います。そのためハーフという呼び名を批判する人もいます。春樹もその言葉を批判している一人です。彼は日本で幼少時代を過ごした時に、「ハーフ」であることでいじめにあって、家族にも否定された経験があります。しかし、誠という別の人生を生きた「ハーフ」の人に出会い、彼の持っていたアイデンティティーが揺さぶられるのです。

この言葉に正解があるかはわかりません。もしかしたら正解がないのかもしれません。この映画はそういった複雑な思いを抱えて生きる二人が、出会い、ぶつかり合うことで、自らの意味を模索し、成長していく青春物語です。是非とも劇場でご覧ください。

Amazonで今すぐ購入

関連ニュース

映画ニュースアクセスランキング

本日

  1. 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」出演俳優たちが印税請求

    1

    「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」出演俳優たちが印税請求

    2024年4月24日 11:00
  2. 渋谷凪咲、ホラーで映画初主演! 「ミンナのウタ」のDNAを引き継ぐ清水崇監督作「あのコはだぁれ?」7月19日公開

    2

    渋谷凪咲、ホラーで映画初主演! 「ミンナのウタ」のDNAを引き継ぐ清水崇監督作「あのコはだぁれ?」7月19日公開

    2024年4月24日 04:00
  3. 「傲慢と善良」藤ヶ谷太輔&奈緒が主演! 辻村深月のベストセラーを映画化 監督は萩原健太郎

    3

    「傲慢と善良」藤ヶ谷太輔&奈緒が主演! 辻村深月のベストセラーを映画化 監督は萩原健太郎

    2024年4月24日 07:00
  4. 大友克洋「MEMORIES」初DCP化、4月26日からホワイトシネクイントでリバイバル上映開始

    4

    大友克洋「MEMORIES」初DCP化、4月26日からホワイトシネクイントでリバイバル上映開始

    2024年4月24日 09:00
  5. 田中圭、山下智久と9年ぶりの共演!「ブルーモーメント」に主人公の幼なじみ役でサプライズ登場

    5

    田中圭、山下智久と9年ぶりの共演!「ブルーモーメント」に主人公の幼なじみ役でサプライズ登場

    2024年4月24日 22:02

今週