妊娠検査薬を前に、複雑な表情を浮かべる高校生 「17歳の瞳に映る世界」本編映像&監督コメント披露
2021年6月20日 12:00

予期せぬ妊娠と向き合う少女たちの勇敢な旅路を描き、第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)に輝いた「17歳の瞳に映る世界」の本編映像と、製作の裏側を明かすエリザ・ヒットマン監督のコメントが披露された。映像には、陽性の妊娠検査薬を前に複雑な表情を浮かべる、17歳の少女が切り取られている。
愛想がなく、友達も少ない17歳の高校生オータムはある日、妊娠していたことを知る。彼女が住むペンシルベニアでは、未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている、いとこであり親友でもあるスカイラーは、オータムの異変に気付き、ふたりは手術に両親の同意が不要なニューヨークへと向かう。
本作は、性的アイデンティティに悩む青年を描いた「ブルックリンの片隅で」で、2017年のサンダンス映画祭の監督賞を受賞し、注目を集めたヒットマン監督の長編第3作。「ムーンライト」のバリー・ジェンキンスが製作総指揮に名を連ねる。主人公オータムを演じたシドニー・フラニガンは、長編映画デビュー作でありながら、等身大の演技が絶賛され、第86回ニューヨーク映画批評家協会賞、第41回ボストン映画批評家協会賞の主演女優賞など、数々の俳優賞を獲得した。

吐き気に悩まされ、意を決して妊娠センターを訪れるオータム。本編映像では、妊娠検査薬の結果を見ながら、オータムと職員が静かに話すシーンが映し出される。職員が「陽性みたいね」と語りかけると、オータムは「陽性だけど、陰性の可能性はある?」と、妊娠の事実を受け入れられず、一縷の望みをかけて質問。しかし、その希望は瞬く間に打ち砕かれ、「ないわ。陽性は間違いなく陽性よ」との答えに、うつむくさまが確認できる。17歳という子どもと大人の間で揺れ動く少女が事実と直面し、事態を解決するため旅に出る、物語のスタート地点となる場面だ。
ヒットマン監督は、映像にもおさめられた、小さな町によくある妊娠センターについて、「医療施設に見えるけれど、免許を持った医師は居なくてあてにはならない」と指摘。当時妊娠中だったヒットマン監督は、センターを訪れたそうで、「実際に話に行くと温かく迎えてくれた。彼女たちは良い人たちだったけれど、情報は限られていて、その意図は(中絶はできず)つながりのある支援先や養子縁組の情報を提供するのみ」と語る。彼女はセンターで妊娠検査を受け、その場にいた女性たちと会話し、「セリフのいくつかは、彼女たちとの会話をそのまま使った」と、リアリティ溢れるやりとりの秘密を明かした。
「17歳の瞳に映る世界」は、7月16日から東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開。
(C)2020 FOCUS FEATURES LLC
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