再開発で住民退去「東京オリンピック2017 都営霞ケ丘アパート」ポスター&元住民からのコメント公開

2021年6月12日 07:00


東京2020オリンピックに伴う再開発により取り壊された都営霞ヶ丘アパートを映す
東京2020オリンピックに伴う再開発により取り壊された都営霞ヶ丘アパートを映す

2020年の東京オリンピック開催にむけた国立競技場の建て替えのため、2017年に取り壊された公営住宅を追ったドキュメンタリー「東京オリンピック2017 都営霞ケ丘アパート」のポスター画像と元アパート住民によるコメントが公開された。

1964年のオリンピック開発の一環で国立競技場に隣接して建てられた都営霞ヶ丘アパートは、平均年齢65歳以上の住民が暮らす高齢者団地になっていた。単身で暮らす者が多く、何十年ものあいだ助け合いながら共生してきたコミュニティであったが、2012年7月、このアパートの住人に東京都から一方的な移転の通達が届く。監督・撮影・編集は本作が劇場作品初監督となる青山真也。音楽を大友良英が担当した。

2014年から2017年の住民たちを追った本作では、五輪ファーストの政策によって奪われた住民たちの慎ましい生活の様子や団地のコミュニティの有り様が収められ、また移転住民有志による東京都や五輪担当大臣への要望書提出や記者会見の様子も記録されている。東京ドキュメンタリー映画祭2020特別賞を受賞した。

8月13日からアップリンク吉祥寺で公開。そのほか、横浜シネマ・ジャック&ベティ、名古屋シネマテーク、アップリンク京都でも公開。

▼菊池浩司さん(元アパート住民)コメント

そうだそうだ、懐かしいな、この場所。
ウチの下に住んでいた森田さん、もう亡くなっちゃったけど、この時は元気に映っているね。

自分は独り身で、家族もいなくて、裁判まで我慢できないから、とっても焦ってたよ。当時、めちゃくちゃだったんだから。
犠牲? 姥捨山みたいに扱って、馬鹿にしてるよな。本当。

選手の人たちは一生懸命練習しているからなにも言えないけど、五輪の組織委員会の人たちには、自分たちだけ良ければいいんじゃなくて、思いやりを持って接して欲しい。
この映画を見て欲しいね。

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