後藤郁、セクシー描写で見せる主演短編作「声交」で新境地開拓
2021年3月21日 10:00
元「アイドリング!!!」のメンバーで女優の後藤郁が主演する短編映画「声交」が、3月26日から東京・アップリンク渋谷で開催される「SHORT TRIAL PROJECT2020」で上映されることが明らかになった。
今年で10年目を迎える「SHORT TRIAL PROJECT」は、新進気鋭のクリエイターが短編映画を企画・製作し、オムニバス形式で劇場公開するプロジェクト。これまでに、「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督や、「新聞記者」「ヤクザと家族 The Family」の藤井道人監督らも参加している。
後藤を主演に迎えて「声交」を撮り上げたのは、新波涼太監督。今回のプロジェクトでは、「声交」のほかにベテランモデルの夢と葛藤を描いた「あみら」、銀座の高級クラブのママも出演する「シマのないシマウマ」と3作を手がけている。
今作で後藤が演じるのは大学生の杏で、テレクラのサクラのバイトで知り合った客の亮平に惹かれていくという役どころ。下心が見える客には一切興味を持たない杏だが、電話での会話を重ねていくうち、次第に「会いたい」という気持ちが芽生えていく。だが、その気持ちとは裏腹に、ふたりの関係は思わぬ方向へと進んでいく。劇中、電話の声だけでセクシー描写を表現するシーンにも挑戦し、新境地を開拓している。
メガホンをとった新波監督は、後藤の演技を「全編通して声がメインとなる作品ですが、その奥にある彼女の内面は、ときに脆く、ときに狂気を感じさせます。彼女の中にある大人と少女の二面性が、作品に繊細さと艶やかさを与えてくれた」と称えている。一方、後藤も「静かに淡々と進む物語のなか、内面を表現するシーンが多く、また少しセクシーな描写があり初めてだったのでどう演じて良いか最初は戸惑いましたが、読み込むうちに引き込まれていきました」と振り返っている。
完成した作品を観た後藤は、「『声交』というタイトル通り、声にも心情が細かく伝わってくる作品だと思います。また美しい映像も相まって、時おり胸がぎゅっと締め付けられました」と語り、手応えのほどをうかがわせている。そして、「若く一生懸命に恋する盲目さが、どうしてこうも残酷に繋がっていくのか。好きだからこそ切なくて苦しくなる、同時に誰かを好きになることの嬉しさや強さを教えてくれる、そんな素敵な映画です」とアピールしている。
「声交」は3月26日~4月8日、アップリンク渋谷で開催中の「SHORT TRIAL PROJECT2020」で上映。