坂元裕二「花束みたいな恋をした」を語り尽くす! 30代の菅田将暉&有村架純を描く続編計画も発覚

2021年2月12日 13:00

脚本家の坂元裕二
脚本家の坂元裕二

脚本家の坂元裕二が2月11日、東京・テアトル新宿で行われた「花束みたいな恋をした」大ヒット記念トークイベントに出席。坂元は集まったファンに対して「上映が終わったばかりで、映画の余韻に浸れないよという方もいらっしゃるかもしれません。朝帰りした日に麦くんとの良い思い出に浸っていた絹ちゃんが、両親に邪魔されたときのように、僕が登場して上書きするのが申し訳ないなという気持ちです。耳障りな方はイヤホンをしてください(笑)」と言葉を投げかけていた。

土井裕泰が監督を務めた本作は、菅田将暉有村架純が共演したラブストーリー。2015~20年、山根麦と八谷絹という、どこにでもいる大学生の21歳から26歳までを描いている。1月29日からの公開後、動員、興行収入ともに2週連続1位を記録。坂元は、この大ヒットについて「TikTokを見ていたら、高校生の男の子3人がトイレットペーパーを抱えて走り回っている動画をアップしていたり、カップルが多摩川を歩きながら、自分たちでナレーションをつけて動画を作っていたり、色々な人達に楽しんでもらっているんだなと思うと、こんなに嬉しいことはなかなかないです」と若者たちが映画を再現する動画を楽しんでいるようだ。

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坂元「皆さん解釈がそれぞれ違っていて、自分と照らし合わせる方もいれば、一歩引いて観る方もいるし、男女で考える方や、おひとりおひとりが自分の思い出と重ねる場合もある。TVドラマだと皆がこう思っているから、と参考にしてその続きを書いたりもしますが、映画だと僕の手からはもう離れているので、こうやって観た人ひとりひとりの物語になっていくんだな、この映画はお客さんの映画になれたんだな、と感じてすごく嬉しいです」

さらに「ドラマだと何故か観ていただいている実感があまり無いんですが、今回は何かざわざわとくるものがあるんですよね。僕はまだ映画館に行けていないんですけど、映画館を回ってお客さんの様子を見ているプロデューサーの方が、『熱気がすごくて、お客さんが映画と戦っているようだ』と仰っていました。そういう熱みたいなものが、僕が一人で仕事部屋にいても何となく感じるんです」と胸中を明かす。「この仕事は長いですが、作った作品が誰かのものになることはこんなに幸せなことで、このために作っているんだな、って初めて知って、尋常じゃない興奮をしています」とこれまでにない感情が沸き立ったようだ。

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次回作について話題が及ぶと「土井監督は『花束みたいな恋をした』の続編をやりたいって言っていました。30代の麦と絹が観たいそうですが、5年後なんてあっという間ですからね。30代の恋というのもなかなか辛いものがあると思うので、『それはきついんじゃないですか?』と伝えたんですけど、土井さんはあまり普段こういうことを言わないのでよっぽどやりたいんだと思います」と、まさかの“続編計画”が発覚。さらに「花束みたいな恋をした」が、当初全く異なる企画として進行していたことを告白した。

坂元「『ブルージャスミン』や『ヤングアダルト』のようなちょっと困った人というか、世間と上手くいかない後ろ指指されるような人たちを描こうと思っていて、土井監督と『世界にひとつのプレイブック』のような作品を想定しながら話をしていたんです。でもそういう役を演じる菅田さんと有村さんが自分の中で上手く動き出さなくて、何か違うなと3、4カ月経ってしまいました。そのときプロデューサーの方に、『ゆっくり考えて、一筆書きで書いてみたらいいんだよ』って言って頂いて、この二人の5年間の日記をA4の40枚くらい書きだしたら映画になるんじゃないかな? と思って、そこからは一週間ほどで完成しました。映画に登場するモノローグも日記を参考にしています」

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やがて“好きなシーン”について質問されると「いっぱいありますけど、絹ちゃんの転職について麦くんと喧嘩するシーン」を取り上げた。

坂元「転職先の『遊びを仕事に、仕事を遊びに』というポリシーを麦くんが『ダサ』って言うんです。それに対して絹ちゃんが『ははっ』て笑うところが絶妙なんです! あ、これ聞いたことある! 怒りながら気を遣われているときの笑い声だ! と思いました。台本には『(微笑って)ま、そこはダサいとは思う』って台詞を書いていて、有村さんが考えて演じていたのか、自然とそういう演技になったのか、分からないですけどすごいですよね。有村さんに聞いてみたいですけど、秘密にされそうです(笑)。予め設計してお芝居をされている方も存在しますが、有村さんはどういう考えで演じているのか分からないのが素敵ですね」

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そして、物語をけん引した菅田と有村について語りだす。

坂元「この作品の台本を執筆している最中に一度菅田くんと遭遇したことがあるんです。なんか青いシャツを着ている人がいるなと思っていたんですけど、その方が菅田くんだと気づいたのは1時間後ぐらいで、素晴らしい俳優さんはオーラを自在に操れるんだなと思いました。有村さんも『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』で施設を回っていたときにお会いしたんですけど、そのときも有村さんだと気がつかなくて。普段はキラキラした俳優さんなのに、この映画でも普通の子として映っていて、すごいなと思いました」

「次回は『劇場版ガスタンク』を皆で焼きおにぎり食べながら観たいですね」という坂元。「このような状況の中で映画を公開できてとても幸せです。期せずしてこの一年間、文化は私たちの中で何なのかということを問いたださないといけない時期を過ごし、映画や音楽、演劇界の中でも色々な岐路に立っています。その一端を担う映画となれたら嬉しいです。皆様、健康で元気にお過ごしください。また何かの機会でゆっくり、オールナイトでお話できる機会がくることを楽しみにしております」と観客にメッセージをおくっていた。

(映画.com速報)

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