【コラム/細野真宏の試写室日記】劇場版「鬼滅の刃」興行収入200億円突破はいつ? 「千と千尋の神隠し」超えの可能性は?

2020年11月5日 17:00


「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」公開中!
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」公開中!

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)(文/細野真宏)


劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が10月16日(金)から劇場公開され、3週目の週末でも勢いの落ちが少ない状況です。

まず、公開初日から僅か10日間で興行収入100億円を突破し107億5423万2550円になりました。

次の関心は、「いつ興行収入200億円を突破するのか」でしょう。

これまでは、異次元級の数字で見通しにくかったのですが、要は、規模感が大きすぎるだけで、数学(算数?)が機能することが見えてきました。

ただ、これも信じ難いのですが、計算では、11月8日(日)には、興行収入200億円突破が可能な推移です。

「千と千尋の神隠し」
「千と千尋の神隠し」

これは、どういう状況かというと、これまで様々な最短記録を保持していた「千と千尋の神隠し」でさえ、興行収入100億円突破は「公開から25日目」でした。

それを「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の場合は、「公開から24日目」で、2倍の興行収入200億円突破を叩き出そうとしているのです!

(仮に1日遅れても、「公開から25日目に『千と千尋の神隠し』の2倍の興行収入200億円突破」となります)

そして、11月8日(日)が週末のため、11月9日(月)には細かいデータが発表されるので、「200億円規模」の詳細が判明します。

実は、そこで「200億円突破」だけではなく、「203億円を突破できるか」ということも重要になってくるのです。

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それは、以下の歴代興行収入ランキングが関係しています。

●日本の歴代興行収入ランキング

1位:「千と千尋の神隠し」 興行収入308.0億円
2位:「タイタニック」 興行収入262.0億円
3位:「アナと雪の女王」 興行収入255.0億円
4位:「君の名は。」 興行収入250.3億円
5位:「ハリー・ポッターと賢者の石」 興行収入203.0億円
6位:「ハウルの動く城」 興行収入196.0億円

日本の歴代興行収入ランキングで「ハリー・ポッターと賢者の石」が興行収入203.0億円で5位となっているため、もし「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の11月8日(日)までの興行収入が203億円を超えると、わずか4週目の週末の段階で「日本の歴代興行収入ランキング5位」に躍り出ることになるわけです!

「ハリー・ポッターと賢者の石」3D版11月6日公開
「ハリー・ポッターと賢者の石」3D版11月6日公開

この歴代5位はズレたとしても「1日程度の誤差」だと思われるので、残すは「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が「千と千尋の神隠し」を超えて、日本の歴代興行収入ランキング1位になれるのかでしょう。

これは、「鬼滅の刃」という作品が全世代の男女に幅広く受け入れられていることや、作品の人気が落ちるどころか、さらにファン層が拡大し続けていることを考えると、「千と千尋の神隠し」超えは、ほぼ確実だと思われます。

新型コロナウイルスという不確実性の大きな問題があり続ける中での話だったので、あえて書きませんでしたが、私は興行収入350億円は行ってほしいという願望もあります。

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それは、現状の歴代1位の「千と千尋の神隠し」の 興行収入308.0億円というのは、実は、6月26日からのリバイバル上映分の約9億円がカウントされていない数字で、これは配給会社の東宝が加算するかどうかを最終的に決められる仕組みになっています。

アメリカの大統領選挙ではありませんが、もめる要素は無い方が望ましいので、新型コロナウイルスで窮地に陥った全国の映画館を(今回の映画のメインである煉獄杏寿郎のように)救っている「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」には、まずは興行収入350億円規模を目指して戦い抜いてほしいところです。

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今回の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が凄いのは、現時点では、まだ1日しか祝日がない状況の数字であることなのです。

例えば「千と千尋の神隠し」の場合は、公開が夏休み期間中だったので、「毎日が祝日」のような動員を出すことが可能になっていました。

そのため「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、冬休み期間や正月休みになると伸びやすくなることも有利な点としてあるわけです。

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また、12月4日(金)には、いよいよ「鬼滅の刃」の単行本の最終巻である23巻が発売となるため、映画館ばかりでなく全国の書店も救っている構図も見えやすくなり、全巻を一気に「大人買い」をする動きも増えると予想され、さらに社会現象が加速されると思われます。

社会の災いが転じて生まれた未知の領域ですが、こういう未踏の道筋が生まれてこそ、閉塞感が光で照らされ、経済が成長していくものだと実感できる転機になり得ると思います。

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