山田孝之×阿部進之介×藤井道人「デイアンドナイト」で発明した「新しい日本映画の作り方」 : 映画ニュース

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山田孝之×阿部進之介×藤井道人「デイアンドナイト」で発明した「新しい日本映画の作り方」

2019年1月21日 10:00

脚本製作ではぶつかり合うこともあったという「新聞記者」

脚本製作ではぶつかり合うこともあったという
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[映画.com ニュース] 日本映画界にいま、新風が吹き込まれんとしている。俳優・山田孝之がプロデュースに専念し、「キングダム」(4月19日公開)などに出演する阿部進之介、「青の帰り道」や「新聞記者」(年内公開予定)を手掛ける俊英監督・藤井道人と企画・脚本開発を含めてがっぷり四つに組んで作り上げた渾身の一作「デイアンドナイト」だ。俳優や監督といった枠を超えて、映画作りの全てにかかわる形で作品を発信する。昨今の日本では非常に珍しい形態だが、何が彼らを「創作」に向かわせたのか。情熱の根源を聞いた。

「人間の善と悪」をテーマに、家族の命が奪われ、自らの善悪に翻ろうされる者たちを描く本作。「3月のライオン」二部作やドラマ「透明なゆりかご」で注目を浴びる清原果耶安藤政信小西真奈美、「ヒメアノ~ル」の佐津川愛美室井滋田中哲司といった日本を代表する実力派俳優が顔をそろえた。

本作は元々、阿部と藤井監督の交流から企画が生まれ、山田が加わることで実現へと急速に動いていった。藤井監督は「山田さんが入ってくれる前の阿部さんと僕の話では、何かモヤモヤしていることがお互いありました。華やかな世界にいる中で、いろんな現実と理想があって、自分たちが純粋にいいものを作りたいという気持ちだけだとやっていけないところとか……。そういう葛藤があった時に、何もしないのは嫌だから、何かやりませんかという話を阿部さんとしたところから、今回の企画が始まったんです」と企画の発端を明かす。「その熱意を山田さんが見てくださって、3人が4人になり5人、100人といったようにたくさんの人が熱意をもって支えられてこの映画が完成した。最初は映画を作りたいという思いとか、自分たちが何かを生み出す、0から1を、1から100を、という熱量で作ったと思います」(藤井監督)。

阿部も藤井監督の言葉にうなずき、「モヤモヤというものをお互い持っているのは感じていて、そういったモヤモヤや10代のころの経験も含めていろんなことを今まで以上に話してみようよっていうアプローチから始まったところがありますね」と続ける。「最初は、脚本ありきでちゃんと作りたいなという思い、ただそれだけだったかもしれないですね。ちゃんと、普通に、当たり前に映画を作りたいなと思っていたんです。そこに、もっと映画を広く見ようと思っている(山田)孝之が来てくれた」(阿部)。

2人の言葉に聞き入っていた山田は、「僕が2人と最初に話したのは、『目の前で大切な人が殺されたらどうする?』ということ」とより具体的な内容を明かす。「3人とも違う答えが出て来て、『え、なんでそう思ったの? なんでそうするの?』となったときに、『これだな』って。こういういろんなシチュエーションが出てきていろんな感情が渦巻いているのを見たときに、絶対に会話になるし自分を見つめ直すきっかけになるので、そういうものをどんどんつなげていって1本の映画にすればすごく意味のある強い作品になるんじゃないかと思って『これはやるしかないぞ』ってなったんです」。

かくして、3人を中心に生まれた輪は安藤や清原といった俳優やスタッフ陣に伝播し、かつてない“圧”をまとった重厚かつ野心的な作品に仕上がった。藤井監督は「僕たちが今回チャレンジしたかったことって、多分みんなで『共有』すること。俳優部と監督が一緒にロケ地を見に行って、プロデューサーと一緒に作っていくことって、意外と今までなかったんです。もっとディスカッションしながらものを作っていこうよというチャレンジとしては、すごく骨の折れる大変な作業ですが、僕らは一番やっていて楽しかった」と顔をほころばせる。

阿部は、「言葉としてはすごく簡単なんですが、『一丸となる』ってすごく難しいなと思っていて。意識を共有して、見る方向をみんなで同じところに持って行って、そこに熱量をかけていくのはとても難しいこと。その作業の後押しになるのがコミュニケーションだった」と振り返る。「脚本開発は少数の人間で行って、セリフの選択一つにしても掘り下げて。話し合うだけでも『それってこういうことだよね』と共有できる」(阿部)。

その脚本作りだが、阿部と山田が全員のキャラクターを演じる形で執筆が進められていったそう。藤井監督が「山田さんと阿部さんが芝居をしてくれるのが一番でかかった。書いた身としては『通り過ぎてくれ』というところも、ノッキングを起こしちゃって『いや、これは言わないです』って……(笑)。大変だったんだけど、楽しかったですね」語ると、阿部と山田は爆笑。

さらに山田が「脚本開発の時に、『これは絶対必要だ』って言っても藤井くんが『嫌です』ってバッサリ切ってくる。『わかったよ……でもこういうクッションも必要だと思うけどな……でも嫌だったらいいよ』って譲歩したら、そのあともバサバサバサって切ってきて(笑)。『藤井くん、これは切っちゃだめだ! これだけはだめだ!』って……この野郎、一個許したらいっぱい切ってきやがって……って思いましたね(笑)」と暴露すると、インタビュールームはさらに大きな笑い声に包まれた。

3人から伝わってくるのは、厚い信頼と「成し遂げた」という心地よい達成感。この先、本作が公開を迎え、山田、阿部、藤井監督が作り上げた新たな発信方法は作品と共に知れ渡っていくだろう。山田は目を輝かせ、「完成披露試写会をやって、その後に僕たちが登壇して会見をやったときに、会場に入った瞬間の記者の方々の目が普段と違ったんですよね。僕は一番後ろからきてすごく気持ちが分かったんですが、もう登場した人たちが“ヒーロー”なんですよ。役者たちに『すげえ! よくやった!』みたいな……記者の方々の目がキラキラしていたんです。これは今までとは違うかもと思いましたし、『でしょ!? すごくないこの人たち? わかるよその気持ち!』ってなりましたね」と笑顔満面で語る。人気実力派俳優と気鋭のクリエイターたちが肌で感じた手ごたえ……日本映画の新たな“夜明け”が、本作から始まる。

デイアンドナイト」は2019年1月19日から、撮影が行われた秋田県で先行公開され、同26日に全国で封切られる。

(映画.com速報)
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