内田伸輝監督作「ぼくらの亡命」、念願のサハリン国際映画祭出品決定!

2017年6月24日 21:20


いざ、サハリンへ!
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[映画.com ニュース] 「おだやかな日常」「さまよう獣」で知られる内田伸輝監督の最新作「ぼくらの亡命」が6月24日、東京・渋谷のユーロスペースで封切られ、内田監督をはじめ主演の須森隆文櫻井亜衣松永大輔入江庸仁鈴木ひかり椎名香織森谷勇太が舞台挨拶に立った。

第17回東京フィルメックスのコンペ部門で上映され、公開前から議論を巻き起こした今作は、内田監督が約7年ぶりに完全自主製作のスタイルをとった意欲作。“他者への依存”をテーマに、東京近郊の森でテント暮らしをしながら、人々への恨みを書道にしてテントに貼りつける昇(須森)と、美人局の片棒をかつがされている女性・樹冬(櫻井)の風変わりな恋愛模様を映し出す。

この日は、8月25日~9月2日にロシア・ユジノサハリンスク市で開催される第7回サハリン国際映画祭IFF“ON THE EDGE”「世界の果て」に出品されることが発表された。同映画祭は気骨にあふれたアジア、ロシア映画を積極的に上映しており、2013年には中野量太監督作「チチを撮りに」がグランプリ、16年には矢崎仁司監督作「無伴奏」が準グランプリに輝いている。

イベント直前に届いたというこの吉報に、内田監督は「本当に嬉しい限りです」と満面の笑み。「この映画で話題に出てくる国後島は、サハリン州の諸島にあります」と説明したうえで、「『ぼくらの亡命』と縁が深く“なるかもしれない”映画祭。心の底から喜んでおります」と感激の言葉を並べ立てた。上映にあわせて現地入りするそうで、「本当に楽しみですね。撮影の時から『あそこは行きたい映画祭』とずっと思っていましたから、念願かないました」と期待に胸躍らせていた。

また今作は、撮影に1年、公開までさらに1年を費やした労作。それでも内田監督は「スタッフ3人とキャストの皆さんで、楽しく撮影できました。皆さんの休みにあわせて、主に土日に撮影しましたが、その時その時のリズムを大切にしながらの撮影は本当に楽しかったです」と一切の苦労をにじませず、「世界がものすごく不寛容になっていると感じた。その空気みたいなものを恋愛映画で描けないかと思い、題材として取りかかりました」と込めた思いを明かす。客席を見渡した須森は「この場から見える光景に、すごく幸せを感じています」と目を細め、「一丸となって作った今作は、今日までは“僕らの映画”だと思っていました。でも今日からは、見てくださった皆さんと、僕らの映画になると思います。吐きたくなるほど、愛してほしいです」と真摯に呼びかけていた。

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