ジブリ、エヴァ、ワンダと巨像…新生「キングコング」監督、オタク要素を全部ぶち込んだ!

2017年2月22日 12:00

オタク知識を次々と披露
オタク知識を次々と披露

[映画.com ニュース] キングコングの起源を描く超大作「キングコング 髑髏島の巨神」を手がけた新鋭ジョーダン・ボート=ロバーツ監督が来日し、アニメ、漫画、ゲーム、特撮といった日本文化を詰め込んだ同作の舞台裏を語った。

ハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」の製作陣が再集結し、トム・ヒドルストンブリー・ラーソンサミュエル・L・ジャクソンら実力派が出演するアドベンチャー。1973年、未開の島・髑髏島(どくろとう)でコングをはじめとした巨大生物たちに遭遇した調査遠征隊が、島から脱出しようと試みる。

会見の席でもスタジオジブリからゲーム「ワンダと巨像」まで造けいの深さを披露し、記者を驚かせたロバーツ監督は「僕みたいな“少年”に数百万ドル与えるとこんな映画ができるんだよ、っていう作品さ。自分が子ども時代に触れてきた文化を、ゲロを吐くみたいに全部ぶち込んである(笑)。コングの戦いも、サルみたいなものじゃなくてエヴァンゲリオンのようなメカ的な戦い方だから、非常に俊敏でスタイリッシュなものになっていると思うよ!」と目を輝かせて語る。

ロバーツ監督のアニメやゲーム的表現へのこだわりは「モーションキャプチャーだと、エヴァンゲリオンのような俊敏な動きは出せない。だから本作ではCGアニメーションを使った。モーションキャプチャーはコングの動きをどうするのか、試行錯誤の中で使っているに過ぎない」と語るほど。とはいえ、好きなものだけをむやみやたらに搭載するのではなく、重視したのは今の観客がワクワクできる作品作りだ。「今の時代、巨体同士の対決では十分じゃない。昔だったら怪獣映画やオタク文化ってメインじゃなかったから希少価値があったし、怪獣同士が対決しているだけで『スゲーッ!』ってなったけれど、今はそうじゃないから何かフックがないといけない」というロバーツ監督の言葉にも、歴史あるシリーズを新生することへの強い自負がうかがえる。

とりわけこだわったのが、コングの内面描写。本作ではコングの感情部分をこれまで以上に掘り下げ、新たなフィールドへと歩ませている。「本作ではコングを“孤独な巨神”として描いている。巨神と島の王としての高潔さ、ひとさじの悲しみを入れたんだ。この“悲しみ”というのは『ワンダと巨像』にもインスパイアされている部分だね。また、今回はコングにも共感できる要素がないといけないと思った。劇中、コングが木を武器にするとき、刀を鞘(さや)から抜くみたいにして枝を取り払うよね。そういった部分からコングの戦略や考え、人となりがわかる、といった設定にしているんだ」。

アニメやゲームの要素を反映させたコングに対し、俳優陣に求めたのは徹底したリアリティだ。劇中でも登場人物の目や表情のアップが象徴的に挿入され、おののき、焦燥、絶望といった極限状態の感情が生々しく切り取られている。「俳優たちにもよくよく説明したことなんだが、ふとした瞬間の人の表情には、コングがヘリをやっつけるシーンと同じくらいの重要度を持たせたかった。ジャングルに入っていった俳優たちの『すごいな……』という表情も大事にしたよ。というのは、キャラクターでもって観客を引っ張り込まないと、どんなに爆発させてもCGを使ってもどうでもよくなってしまうから。表情を重視しようというのは初期段階から相当意識していた」。作品の根幹的なテーマにも「そもそも反戦映画にしようというアプローチで製作した」とベトナム戦争のニュアンスを混ぜ込むことで「イメージがしっかりと定着しているベトナム戦争にひとひねり加えて、モンスターを登場させている。だから、リアリティを持たせつつ、今までに見たことがないものを成し遂げられているんだ」と映画と現実世界のリンクをはかったという。

すい星のように映画界に現れ、怪獣映画の新たな料理法を示してみせたロバーツ監督。人気ゲーム「メタルギアソリッド」の実写版監督候補にも挙がっている俊英は「とにかく今までにないものを作りたかった。人の期待以上のものをね」と前のめりで語った。

キングコング 髑髏島の巨神」は、3月25日から全国公開。

(映画.com速報)

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