フレディ・マーキュリーさん歌声の秘密を科学的に分析
2016年5月8日 10:00
[映画.com ニュース] ロックバンド「クイーン」のフロントマンとして活躍した、故フレディ・マーキュリーさんの歌声を、オーストリア、チェコ、スウェーデンの研究チームが科学的に分析し、才能の秘密が類まれな発声法・歌唱法にあることを突き止めた。
英デイリーメールによれば、分析にはフレディーさん自身のパフォーマンスやインタビューのアーカイブ音声のほか、物まね歌手ののどの動きを1秒4000コマというハイスピードカメラで撮影した映像が用いられたという。
「Logopedics Phoniatrics Vocology」に発表された論文では、4オクターブとされる声域は現時点では立証できておらず、「健康的な一般成人の声域で、それ以上でも以下でもない」とのこと。だが、本来はバリトンだと思われるフレディーさんは、一般的な歌手よりもビブラートの振動数が大きいので、テノールの音域で歌唱できたという。さらに、特徴のひとつである、うなるような歌声は、南シベリアのトゥバ族の「のど歌」に特有な歌唱法として知られるサブハーモニクスという技法によるもので、通常の発声や歌唱では使われない仮声帯も震わせているそうだ。
研究者たちは、高速で不規則なビブラートとサブハーモニクスが、「フレディ・マーキュリーのエキセントリックできらびやかなステージ上でのペルソナを作り上げる助けとなっていたのかもしれない」としている。