押井監督のアクション美学に本広監督「次作手伝って…」
2016年2月12日 23:00
[映画.com ニュース] 独自の映像表現で世界を魅了する鬼才・押井守監督が2月12日、さぬき映画祭2016に実写最新作「東京無国籍少女」を携え登場。イオンシネマ高松東での上映終了後、映画祭ディレクターを務める本広克行監督と白熱トークを繰り広げた。同作は押井監督ならではのアクション美学がさえ、思わず本広監督は「僕の次作を手伝ってくれませんか?」と申し出た。
「東京無国籍少女」は、女子美術高等専門学校を舞台にしたソリッドサスペンス。心身に傷を負った天才女子高生の憂うつに満ちた日常描写と、衝撃のラスト15分で観客を圧倒。押井監督が「撮影は全部で10日間ほど。アクション約80カットは1日半で撮り切った」と明かすと、本広監督は仰天し「僕の映画でアクション監督をして!」と本気モードに。かねて進行のある2人は、共同企画のプランも練っているという。
女子校に最後は戦車まで登場してしまうストーリーに対し、本広監督は「やりたい放題ですね…」と脱帽するばかり。押井監督は「大体(やりたいこと)やった」としてやったりで、「プロのスタッフを使った自主映画。低予算だったけれど楽しい現場だった。主演の清野菜名には目に殺気があって本当に良かった」と満足げに振り返った。
「東京無国籍少女」は、大作の「THE NEXT GENERATION -パトレイバー-」シリーズ、5月公開「ガルム・ウォーズ」などに比べ小規模ながら、押井監督は「日常のちょっと隣に戦争があって、それがにじみ出てくるところを表現したかった」と思い入れ十分。また「やるやると言い続けて、諦めなければいつか撮れる」と言い、今後についても「何本か企画があって、アニメの話もある」と予告していた。
「さぬき映画祭2016」は2月21日まで開催。