河北省出身の新鋭監督の自伝的映画「現代中国が開放改革から歩んだ時代を描いた」

2015年10月23日 17:25


会見したハオ・ジエ監督、バオ・ベイアル、スン・イー
会見したハオ・ジエ監督、バオ・ベイアル、スン・イー

[映画.com ニュース] 第28回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「ぼくの桃色の夢」が10月23日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで公式上映され、ハオ・ジエ監督とバオ・ベイアルスン・イーが会見した。

1985年、河北省の小さな村が舞台。全寮制の中学校生活をスタートさせた少年チャオ・シャンシャンは、美少女リー・チュンシュアに一目惚れする。大学卒業後まで、初恋の相手を思い続けた主人公の半生を描いた青春ドラマ。

1981年生まれのハオ監督の自伝的要素を含んだ作品で、いつまでも初恋の相手を忘れられない主人公が、映画監督を目指すまでの道のりが描かれる。ハオ監督は「85%くらい僕の経験です。庶民の感覚から現代中国が開放改革から歩んだ時代を描きました」と時代設定について説明する。そして、「僕は体や心の発達が遅いタイプでした。青春の記憶は忘れられないもので、大人になった今でも当時の思い出を強く持っています」とテーマへの思い入れを語った。

さらに、「中国社会も青春期にある」といい、本作で自身の成長と中国の現代社会の発展の過程を重ね合わせた。劇中で主人公が父親を亡くし、政府からの補償金を受け取った場面も実体験だと明かし「著しい発展の中で犠牲も生じており、多くの人が代償を払ってきた」と話した。

近年、中国で若者向けの青春映画が数多く作られていることについて問われると「中国映画市場の傾向として、青春映画は興行的にも成功しています。また、映画審査の影響もあり、(青春映画は)撮りやすく、売れやすいからでは」と分析した。

主人公の初恋の相手を、中学生時代から20代まで一人で演じきったスン・イーは、「高校時代は実年齢と近いので問題なかったですが、中学生時代は、小さな坊やと釣り合うように演じるのが難しかった」と撮影を振り返った。

東京国際映画祭は10月31日まで開催。

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