菊池亜希子 主演映画「海のふた」で自転車の脚力自慢披露「立ちこぎのプロ」
2015年6月30日 21:20
[映画.com ニュース] 人気作家・吉本ばなな氏の小説を映画化した「海のふた」のプレミア試写会が6月30日、都内のホールで行われ、女優の菊池亜希子と共演の三根梓が舞台挨拶に立った。
2人はもともと吉本氏のファンだったそうで、菊池は「何の前触れもなくマネジャーに渡され余計なことを考えずに読んだら、文体はもちろん言葉遣いや考え方が今の私の年齢の考え方がストレートに描かれていた。感動だけじゃない、ザワザワする感覚」と“一読ぼれ”した様子。一度は離れた故郷に帰り、かき氷店を開店させる主人公・まりという役どころだが、「それだけだとスローライフを描く映画というイメージを持たれるかもしれませんが、自分が好きなことをして生きていくことの過酷さなど、かなり本質的なテーマが鮮やかに描かれています。パステル調ではなく色彩の強い映画ですので、何かメッセージを受け取ってほしい」と真摯に語りかけた。
一方の三根は、顔に火傷の跡があり心にも傷を負ったはじめちゃん役。「原作と脚本を読み込み、はじめちゃんノートを作って感じ方や考え方、性格などを書き込んで自分の中に落とし込んでいきました」と役づくりを披露した。
2人で急坂を自転車で上るシーンでは、三根が「勢いをつけても私はなかなか前に進まないのに、菊池さんはぐんぐん上っていった。前に運動が得意だと聞いていたけれど信じていませんでした。疑っていてすいません」と平謝り。菊池は、「文科系のイメージで運動は苦手でしょ、とよく言われます。でも田舎育ちなので、自転車がないと生活ができなかった。山をひとつ越えるくらいは平気。立ちこぎのプロです」と脚力自慢をアピールした。
映画の完成を記念して製作された、器も氷でできた巨大かき氷も登場。シロップをかけて完成させた菊池は「でかい」、三根も「おいしそうですね」と笑顔を見せていた。
「海のふた」は、故郷の西伊豆に戻ってきたまりと、母親の友人の娘のはじめちゃんがかき氷店をオープンさせる過程で互いの理解を深め抱えていた傷をいやし、人生の新たな一歩を踏み出していく物語。7月18日から公開される。