高良健吾、デビュー10周年飾る「悼む人」に感慨「今の自分に必要な役」

2014年12月1日 15:10


天童荒太氏の直木賞受賞作を映画化
天童荒太氏の直木賞受賞作を映画化

[映画.com ニュース]天童荒太氏の直木賞受賞小説を映画化した「悼む人」の完成報告会見が12月1日、都内のホテルで行われ、高良健吾石田ゆり子貫地谷しほり椎名桔平大竹しのぶの主要キャストと堤幸彦監督、天童氏が顔をそろえた。

不慮の事故などで亡くなった人々を悼むため全国を旅する主人公・静人を演じた高良は、「すごく気づいたことがたくさんある。10代後半から20代の中頃まで、死んでしまったり殺さなければならない役が多く毎日のように考え感じてきたので、やっている時に腑(ふ)に落ちることがたくさんあった」と述懐。続けて、「この作品のために、ずっと準備をしてきたのかもしれない。まだ答えは見つかっていないかもしれないけれど、一緒に感じていただければ」と真摯に訴えた。

来年はデビュー10周年の節目に当たり、「この役が今の自分に必要だと思ったし、今までやってきたことが全部つながっていると思えた。そして(母親役の)大竹さんの『続けることが大事なんだよ』というセリフで、次の旅への一歩を踏み出していけそう」と意欲を新たにした。大竹も、「最初に高良くんの悼む姿の映像を見せてもらい、その祈り方があまりに美しくて会った時に目の前でやってもらいました」と明かし、笑いを誘った。

高良と旅を共にする石田も、夫を殺した過去を持つ倖世という複雑な役どころで「原作を読んで自分から関わりたいと立候補し、願いはかなったけれど、本当に私にできるのかと思う日々だった」としみじみ。それでも、「堤監督の現場が素晴らしく、いるだけで役にしてもらえるチームでした。高良さんとはほぼすべてのシーンで一緒でしたけれど、静人を体現してくださったので倖世の気持ちもよく分かった」と振り返った。

2012年に舞台化もしている堤監督は、「人の死の不条理を描いたこの原作だけは、どうしても自分で作品にしたかった。これまでの経験やキャリアを横に置いて、真摯に向き合った」と強調。編集段階から7、8回見ているという天童氏は、「その都度、涙を抑えることができなかった。悲しみを連鎖させている今の世界に一番いてほしい人が静人。その言葉、思いが日本のみならず世界に届けられることに大きな喜びと希望を抱いている。人類の宝になる映画です」と大絶賛していた。

悼む人」は、亡くなった人の愛にまつわる記憶を心にとどめるために全国を旅している静人が、出会った人々の生と死にさまざまな影響を与え、自らの生にも向き合っていく姿を描く。来年2月14日から全国で公開される。

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