「アトリエの春」チョ監督、「暴力的な映画が多すぎ」と作品傾向に言及
2014年10月26日 07:10

[映画.com ニュース] 第27回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門に出品された韓国映画「アトリエの春」が10月25日、メイン会場となるTOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、チョ・グニョン監督、女優のキム・ソヒョン、イ・ユヨンがティーチインに臨んだ。
1969年、ベトナム戦争が暗い影を落としていた韓国で、全身が麻痺する難病に苦しむ天才彫刻家ジュング(パク・ヨンウ)。妻のジョンスク(キム)は夫の創作活動のため、村で見つけた若い娘ミンギョン(イ)をモデルとして連れてくる。ミンギョンのおかげで創作を再開したジュングは徐々に回復し、ミンギョンと親密になっていってしまう。本作はミラノ国際映画祭で大賞、撮影賞、イが主演女優賞を受賞している。
チョ監督は、初めに「尊敬している小津安二郎監督の作品『晩春(1949)』があります。大変失礼かと思ったけれども、作品上避けられないタイトルでした」と本作の原題「Late Spring」に触れ、日本の巨匠に敬意を示して舞台に立った。
キムは役作りについて「監督から自分をまっさらにしてきてと言われ、努力して自分を空にした」と困り顔で話したが、「難しかったけれど、そのおかげでジョンスクには他の登場人物に比べて寂しさがあります」と仕上がりに自信を見せた。
これを聞いていたチョ監督は、「キムは韓国では怒る役柄で有名な女優。そうでない部分もあるはずなのに、なぜ他の監督は怒る役ばかり与えるんだと思い、今回の役に彼女を選んだんです」と明かすと、キムは思わず吹き出して大笑い。「確かに怒る役が多いですね」と同調し、会場の笑いを誘った。
観客から「監督がこの国際映画祭で世界に向けて発信したいメッセージは?」と問われると「全世界的に非常に暴力的な映画や、刺激の強い映画が増えていると思う」と現在の映画界の傾向に言及。「私自身そのような映画にスタッフとして沢山関わって少し疲れたのです。だから今回は、普遍的な人間愛を届けたいという思いで作りました」と人間の善良な部分を描きたかったと答え、キムも「この映画が状況を緩和してくれればいいと思います」と願いを込めた。
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