内田裕也、日本映画界の現状をチクリ 時代劇に意欲
2014年10月18日 12:58

[映画.com ニュース]ロック歌手の内田裕也が10月17日、主演作「コミック雑誌なんかいらない!」が京都国際映画祭で特別上映されることを受け、イオンシネマ京都桂川で舞台挨拶に立った。前日に参加した祇園甲部歌舞練場でのオープニングセレモニーについて、「どっかの新聞で『裕也、舞妓を襲う』って見出しが出ていた。どこへ行っても俺を悪者にしやがって!」とボヤキながらも、「あれくらいインパクトがないとな! 面白いタイトルだったよ」と笑い飛ばした。
成人映画出身の滝田洋二郎監督が初めて手がけた一般映画で、内田は主演とともに高木功と共同で脚本を執筆している。内田扮する主人公の人気芸能レポーター・キナメリが、1985年に実際に起こった事件、事故、出来事を追いかけ、奮闘する姿を通して、大衆がワイドショーに踊らされていくことを皮肉った意欲作だ。
内田は、カンヌ映画祭監督週間に招待された当時に触れ、「スタートは不幸な作品だった。手ごたえがあったのに、どこも買ってくれなかった。落胆している時にカンヌから招待を受けてね」と話す。公式上映にも立ち会い、「クライマックスシーンまでお客さんは誰も帰らず、全員が立ち上がって『ブラボー』と言ってくれた。一生忘れられない光景。翌日から、29歳の新人監督が、カンヌのスターになったんだよ」と振り返った。
また、同日午前中に同映画祭で上映された品川ヒロシ監督作「ドロップ」の観客が8人だったことを話題にし、「俺は大好きな監督なんだけどな。しかし、市内からここまで遠いよ」と会場が分散化されていることに苦言。最近の日本映画界については、「悪いとは言わないけど、ほとんどの原作が漫画ばっかり。『蜩ノ記』とかは興味あるんだ。時代劇を一度やってみたいんだよなあ」と意欲をうかがわせた。
(映画.com速報)