PFF受賞作「山守クリップ工場の辺り」がロッテルダム国際映画祭でグランプリ
2014年2月5日 07:30
[映画.com ニュース] 「第35回PFFぴあフィルムフェスティバル」のコンペティション部門「PFFアワード2013」で、審査員特別賞を受賞した「山守クリップ工場の辺り」(池田暁監督)が、ロッテルダム国際映画祭のコンペティション部門「タイガーアワード」でグランプリを受賞した。昨年のバンクーバー国際映画祭コンペティション部門グランプリ受賞に続く快挙となった。
ロッテルダム国際映画祭は新人監督の登竜門的な存在として知られ、多くの若手映像作家の作品を紹介している。「タイガーアワード」は、長編初監督作または第2作に限定されており、過去にはクリストファー・ノーラン監督、ホン・サンス監督、橋口亮輔監督らがグランプリを受賞している。
本年度はイスラエルの名匠、エリア・スレイマン監督が審査員長を務め、「精密で無駄を省いた挑戦的作品。この作品は人間の行動における不合理を観察し、詩的な領域に昇華している」と本作を絶賛。そのほか審査員はナヌーク・レオポルド監督、エドウィン監督、「ブエノスアイレスインディペンデント国際映画祭」のプログラマであるビオレッタ・バーバ、そして「おだやかな日常」「ほとりの朔子」など女優・プロデューサーとして活躍する杉野希妃の5名。
映画は手作業でクリップを生産する工場を舞台に、見たことも聞いたこともない飲食物、いつかもわからない時代設定で、希望もない日々を淡々と生きる人々に起きる些細な出来事を独特の世界観で描く。
「山守クリップ工場の辺り」は「第35回PFF」の福岡会場(会期:4月25~27日)で上映される。