プロデューサーが41人!インディペンデント映画が全米公開
2013年8月20日 13:30
[映画.com ニュース] 「プレシャス」や「ペーパーボーイ 真夏の引力」を手がけたリー・ダニエルズ監督の最新作「ザ・バトラー(原題)」が、アメリカの記者や評論家の間で話題になっているとハリウッド・レポーター紙が報じた。
同作は、ホワイトハウスで34年間にわたり執事をつとめ、20世紀後半の歴史的な出来事を目の当たりにしたユージン・アレンの人生を下敷きにしたもので、執事をフォレスト・ウィテカー、妻をオプラ・ウィンフリーが演じている。今作の試写を見た人たちの一番の話題は、作品の質の高さや豪華俳優陣の演技以上に、プロデューサーの数の多さだという。
「ザ・バトラー」には、プロデューサーと製作総指揮を合わせて、41人も名前を連ねている。当初はベテランプロデューサーの故ローラ・ジスキン(「スパイダーマン」シリーズ)、パートナーのパム・ウィリアムスがメジャースタジオに持ち込んだ企画だが、誰も興味を示さなかったためインディペンデント映画として製作することを決意。ブラック・エンタテインメント・テレビジョンを立ち上げ、NBA、NHL、WNBAでチームを所有する黒人女性実業家のシーラ・ジョンソンにアプローチをする。
脚本にほれ込んだジョンソンは、自ら270万ドルの出資を決意したほか、他のアフリカ系アメリカ人の投資家を口説いて回ったのだという。さらに、ウクライナ出身の億万長者レン・ブラバトニックや元NBA選手のマイケル・フィンリー、ニューオリンズの裕福な家庭に育ったバディ・パトリックらが出資を行い、製作費3000万ドルをかき集めた。
こうした経緯もあり、41人もの名前がプロデューサーとしてクレジットされている。映画を完成させたダニエルズ監督は、「スタジオがお金を出さないとき、彼らは身銭を切ってくれたんです。これ自体が映画に出来る物語ですよ」とコメントを寄せている。
「ザ・バトラー」は、8月16日に全米公開される。