西田敏行、被災者の感謝に涙 「遺体 明日への十日間」プレミア試写会

2013年2月19日 21:13

被災者からの感謝の言葉に涙を見せた西田敏行
被災者からの感謝の言葉に涙を見せた西田敏行

[映画.com ニュース]俳優の西田敏行が2月19日、都内で行われた主演作「遺体 明日への十日間」のプレミア試写会にメガホンをとった君塚良一監督とともに出席した。原作は石井光太氏のルポタージュ「遺体 震災と津波の果てに」(新潮社刊)。東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市の遺体安置所を舞台に、犠牲者を一刻も早く家族と再会できるよう遺体の搬送や検視、身元確認などのつらい作業にあたる人々の姿を描く。

被災地・福島出身の西田は、自らも被災しながらボランティアとして遺体安置所の世話役を務める相葉常夫を演じ「当初、遺族のお気持ちを考えると、映画化はいかがなものかと危惧していたが、今は『震災を忘れない』とメッセージを発信する映画に参加でき、本当に良かったと思う」と感慨しきり。試写会に招待された震災当時のボランティアスタッフや釜石出身者から「映画にしてもらい、感謝している」「風化させないために、今後も協力してほしい」といった声が相次ぐと、西田はハンカチを取り出し、涙をぬぐっていた。

君塚監督は「記録のごとく、ありのままの事実を伝える映画を目指した。もちろん、つらい作業だったが、映画を作る以上は責任を取らないといけないし、覚悟を決めていた」。一方で、西田が遺体安置所に入る際に靴を脱ぐなど、原作にはない描写もある点について「何より役者さんの気持ちや、体のリアルな反応を撮りたかった」といい、「靴を脱ぐアイデアは西田さんから。台本にはなかったが、西田さんがそうしたいなら、それが真実だと思った」と説明した。西田本人も「実際には寒くて靴を脱げる状況ではないが、西田敏行として、靴を脱がなければ、遺体のそばに行けなかった。そういう意味では、俳優としての作為が自然と消えて、ひたすら当時の様子を追体験する現場だった」と振り返った。

この日は、西田演じる相葉のモデルとなった釜石市の民生委員・千葉淳さんが駆けつけ、「ね、似ているでしょ?」(西田)。千葉さんが「大それたことをやったわけじゃない。とにかく亡くなられた方の霊を、きれいに送り出してあげたい一心だった」と述懐すると、西田は「本当に崇高な行為だと思う」と千葉さんに改めて敬意を表していた。

遺体 明日への十日間」は2月23日から全国105スクリーンで公開。本作の収益は全額、被災地に寄付される。

(映画.com速報)

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