ベルリンで子ども審査員が選んだ受賞作「聴こえてる、ふりをしただけ」 子ども試写会を実施

2012年8月10日 21:00


日本の子ども達を前に作品を語った今泉かおり監督
日本の子ども達を前に作品を語った今泉かおり監督

[映画.com ニュース] 第62回ベルリン国際映画祭で、子ども審査員が受賞作を選ぶジェネレーションKプラス部門子ども審査員特別賞を受賞した「聴こえてる、ふりをしただけ」の子ども試写会が8月9日、渋谷アップリンクであり、今泉かおり監督が映画を鑑賞した女子小中学生たちを前に、本作製作の裏話などを語った。

本作は母を亡くした小学校5年生のサチの繊細な心の動きを描いた、今泉監督初の劇場長編作。「自分の11歳の時を思い出しながら作りました。子ども向けというよりは、こういう子ども時代を経験した大人に見てほしかった」と製作経緯を説明。子どものキャストが多い作品ということで、最も苦労した点を「主役の子が事務所に所属しているのではなく、普通の中学生だったので、撮影が土日祝中心となり、スタッフのスケジュールを組むのが難しかった」と明かした。

大人しいタイプのサチ、ちょっと風変わりな希、リーダー格の美由紀という3人の少女が登場する。子どもたちが挙手で答えた一番好きなキャラクターは美由紀で、試写会に参加した少女たちからは「親を亡くしたりとか、悲しいことが(自分には)ないので、サチはかわいそうだと思った」、「サチは私より年下なのにしっかりしててえらいなって思った」など、子どもらしい率直な感想があがった。

ベルリン映画祭では、現地の子どもたちの質問に答える機会もあったそうで、今泉監督は「大人の質問とは違う感受性豊かな質問が出て驚いた。大人向けに作った作品でしたが今を生きる子どもにたちにも共感してもらえる部分があった」と述懐した。

聴こえてる、ふりをしただけ」8月11日渋谷アップリンクで公開。

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