小松政夫、“師匠”植木等さんとの思い出「楽しく誇りに思っている」
2010年9月18日 21:30
[映画.com ニュース] 「第3回したまちコメディ映画祭in台東」が開催中の東京・浅草中映劇場で9月18日、放送作家の高田文夫プロデュースによる「クレージーキャッツ」特集上映が行われ、代表作「クレージー黄金作戦」、現在ソフト化されていない「喜劇・泥棒大家族/天下を盗る」、故谷啓さんが主演した「図々しい奴」の3本がスクリーンによみがえった。上映後には高田とコメディアンの小松政夫がトークショーに登壇。クレージー旋風吹き荒れた当時を振り返った。
俳優を目指し福岡から上京した小松は、職を転々としながら、週刊誌に掲載されていた求人広告をきっかけに故植木等さんの付き人兼運転手として芸能界入り。入院中の植木さんと初対面し「私を父親と思えばいい」と言われたそうで、「早くに父親を亡くしていましたからね。このとき、一生付いていこうと決意しました」と語った。その後、約4年間、植木さんをはじめとするクレージーキャッツのメンバーと行動をともにし「1週間で寝られるのは10時間」という多忙な日々を送った。タレントの基礎を学び、今月急逝した谷啓さんが執筆した台本によって、テレビデビューを果たした。
そして、ある日突然「明日から来なくていい」と植木さんから言われた小松。クビかと覚悟を決めたが、実際には植木さんが所属していた渡辺プロダクションの社長と交渉し、小松を正式な所属タレントとして迎え入れることが決定したそうだ。小松は「本当にブワーと涙が出来てきましたよ。あの4年間は毎日が本当に楽しくて、今でも誇りに思っています」と当時の心境を振り返った。
今年の同映画祭はクレージーキャッツの結成55周年を記念し、出演作品を一挙上映するオールナイトイベントが実施されたほか、最終日の20日には上野・不忍池水上音楽堂で近田春夫、スチャダラパー、SAKEROCK、鈴木慶一らが出演する「クレージーキャッツ リスペクトライブ」も開催。谷さんへの追悼も込めた、クレージーキャッツ一色の映画祭となる予定だ。