加瀬亮主演「海炭市叙景」プロ・アマ問わず大々的オーディション敢行

2009年12月28日 13:54

ついに動き始めた未完の名作の映画化
ついに動き始めた未完の名作の映画化

[映画.com ニュース] 加瀬亮の主演最新作「海炭市叙景」の熊切和嘉監督が、出演俳優のオーディションを大々的に行うことが分かった。自殺した芥川賞候補作家・佐藤泰志の遺作で、多くの登場人物を要する壮大なオムバス作品になるため、2月のクランクインを前に急きょプロ・アマを問わず出演者を募集する。

海炭市叙景」は、佐藤の故郷である北海道・函館をモデルにした架空の地方都市を舞台に、バブルが破綻した80年代にさまざまな事情を抱えた人々が必死に生きる姿を描く。加瀬が主演のひとりを務めるだけでなく、谷村美月小林薫南果歩の出演も内定し、6編の物語を軸に構成されるなかで、どの登場人物を演じるかに大きな注目が集まっている。

原作の世界観に強くひかれた熊切監督は、「この映画のテーマは『』と、そこに暮らす『市井の人々』の姿。そこから静かに物語が立ち上がってくるような映画を目指しています。そのためには、何よりも登場人物全員が『本当にそこで暮らしている』ように映らなくてはなりません」とオーディション敢行の理由を説明した。

さらに、「既成の俳優たちだけでも、もちろん映画は成立します。しかし、今回はそこに止まっていてはいけないような気がしています。さらに上の映画を目指すために、大胆な素人俳優の抜擢が必要」と強調。それだけに、「僕としては既成の俳優たちを、逆に、素人俳優たちのトーンになじませるくらいの気持ちでいます。誰が素人で、誰が俳優か分からなくなるくらいの、映っているもの全てが“本物”。映画において、これに勝るものはありません」とこだわりをのぞかせた。

役どころは、起用される俳優次第で変動するため未定とし、年齢や性別も不問。セリフを覚えたり、器用な芝居を要求するつもりはないそうで「カメラを気にせず、自分の言葉遣いでいつものように“普通に”振る舞ってくれれば良いのです」。採用された場合、カメラテストやリハーサルなど撮影現場に慣れるための十分な時間は用意するという。

応募は、履歴書・写真・字数制限なしの自己アピール文「海炭市(函館市)と私」を添え、2010年1月7日必着で函館市本町22-11 シネマアイリス内「海炭市叙景」オーディション係まで(電話での問い合わせは不可)。書類選考のうえ、1月11日に熊切監督自ら函館市で面接を行う。また、同時に函館市近郊に住むことを前提に、太めでおとなしく人見知りをしないネコも募集中だ。

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