是枝監督＆ペ・ドゥナ「すべて出し切った」と大満足　「空気人形」トークショー

［映画.com ニュース］　業田良家の短編漫画を実写映画化した「空気人形」のトークイベントが9月19日、東京・HMV渋谷店で行われ、是枝裕和監督と主演のペ・ドゥナが出席した。

孤独な中年男性（板尾創路）が持つ空気人形（ペ・ドゥナ）が、人間の心を持ったことから街に出てさまざまな人と出会い、レンタルビデオ店店員（ARATA）に恋をするというストーリー。

「リンダ リンダ リンダ」に続く2作目の日本映画出演となるペ・ドゥナは、時折日本語を交えてトークに参加。劇中、詩の朗読があったそうで、「日本語が難しくて恥ずかしい……」と照れ笑いを浮かべた。是枝監督は、「子猫をお願い」（01）を見て以来、惚れこんできたといい、「最初から100の状態で現場に入ってきて、それが落ちない。演出家にとってはうれしいこと」と絶賛。ペ・ドゥナも「監督は天才！」と日本語で返し、笑いを誘った。

印象に残った共演者について、ペ・ドゥナは「柄本（佑）くん。かわいい！」と即答。しかし現場で最も頼りにしていたのはARATAのようで、「気遣いがあって、優しく繊細な方です」とベタ褒めした。撮影終了後は、米ニューヨークで英語の勉強をしていたことを明かし、「『空気人形』には心身ともにすべてを捧げた。今は自分を消耗させるより何かを満たしていきたい」とコメント。「すべてを出し切った」と大満足の是枝監督も、今後は充電期間に入る予定だと明かした。

イベント終盤には、共演の板尾がサプライズゲストとして登場。「自分の中でベスト10に入るくらい、いい映画」としみじみ語ったが、「ぶっちゃけ、カンヌ（映画祭の上映）では寝ました」と衝撃の告白で会場を沸かせた。

「空気人形」はアスミック・エース配給で、9月26日公開。