ローランド・エメリッヒ監督がパニック映画を撮り続ける理由は?

2009年8月7日 12:00


テクノロジーの進化で破壊シーンもよりリアルに!
テクノロジーの進化で破壊シーンもよりリアルに!

[映画.com ニュース] 「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」のローランド・エメリッヒ監督が、現在製作中のディザスター超大作「2012」のPRで来日を果たした。来日会見でド迫力のフッテージ映像を初公開した監督が、本作の見どころをより詳しく語ってくれた。

タイトルの「2012」は古代マヤ文明の暦が終わる年を指し、2012年12月21日に地球が滅亡するという予言をモチーフに、次々と大災害が発生する中で何とか生き延びようと奮闘する人々を描く。マヤ文明の予言を扱った経緯について、監督は「元々は世界中で大洪水が起きる話を考えていたんだけど、リサーチを進める中で、『2012年世界滅亡』説を信じている人が非常に多いことが分かってね。それでこの予言を我々の映画に取り込んだら面白いと思ったんだ」と明かす。

地震、大津波などの天変地異が巻き起こる映像は、VFX技術を駆使し、約1500ものエフェクトショットを使用したそう。前作「紀元前1万年」ではマンモスの毛を再現するのに苦戦したという監督だが、今回の苦労を聞くと、「ロサンゼルスの街を実際に壊すことはできないので、まずは街並みをコンピューター上で再現したんだ。いかにリアルに見せるかが難しかったね。あとは煙を表現するのも大変だったよ。VFX部分は未だに映像処理に追われている状態なんだ」と苦笑い。

とはいえ、昨今のデジタルテクノロジーの進化には、監督も舌を巻いているのだとか。「僕が映画作りを始めた頃は、脚本を書く際に『このシーンは映像化できる、こっちは無理』などと考えなければならなかった。『インデペンデンス・デイ』のときは不可能だからと試すことさえしないシーンもあった。それが今では時間とお金と想像力があれば何でも表現できる。そのうち俳優も何もかもコンピューター上で作れるようになる時代になるかもしれないね」

ディザスター・パニック映画の第一人者とも呼ばれる監督に、そういった作品を撮り続ける理由を聞いた。「僕が描きたい物語は、平凡な日常にいきなり非日常が訪れるというもの。戦争ドラマの『パトリオット』だって、ごく普通の生活を送っていた家族が戦争に巻き込まれていく話だしね。それと、僕はあり得ないと思われるようなイメージにすごく惹かれるんだ。だからこれからも皆が見たこともない、信じられないような映像を作っていこうと思っているよ」

2012」は11月21日より公開。

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