ナタリー&スカヨハを演出した「ブーリン家の姉妹」新鋭監督に聞く
2008年10月24日 12:00
[映画.com ニュース] 当代きっての若手演技派女優ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンが姉妹役で初共演した「ブーリン家の姉妹」(10月25日公開)。本作でメガホンを握ったイギリスの新鋭監督ジャスティン・チャドウィックに話を聞いた。
映画の舞台は16世紀イングランドの王室。世継ぎに恵まれない国王ヘンリー8世に、男児を産むため差し出された新興貴族ブーリン家の姉アンと妹メアリーの愛憎劇と、運命に翻弄される彼女たちの人生を、史実とフィクションを交えながら描く。
これまでTVシリーズなどを手がけてきた監督は、初の劇場映画となる本作でいきなりの豪華キャスト共演の話題作に挑んだ。主演2人の印象を聞いてみると、「スカーレットは瞬間的な直感で動く女優。優しい雰囲気と豊かな感受性を持っていて、彼女が演じたメアリーはこの映画のハートを担う役だから、そんな彼女が適任だった。対してナタリーは、美しいだけでなく知性の人。彼女が演じたアンもそうだが、何に対しても知りたがり、自ら情報を集めていくタイプの女優で、やはり役にピッタリだった」と語る。
そしてまた、この2人は外見的な特徴も本物のアンとメアリーに似ているのだとか。「美術館で何枚かアンの肖像画を見たけど、自分でも驚くくらい映画のナタリーにそっくり。メアリーの画も見たけど同様に金髪で美しく、スカーレットに似ているとみなさんも思うはずだよ」
アンは後に女王となるエリザベス1世を産んだ人物としても有名だが、メアリーは歴史の裏に消え、ほとんど知られていない。映画では、政治の道具として利用されながらも、過酷な状況を自らの力で切りひらき、時に受け入れる、2人の姿にスポットを当てる。
「この映画の面白さはまさにそこだよ。当時はあたかも男たちが社会の中心を支配していたように思われるが、その後ろで本当の知性と豊かさ、面白さ、深みを持っていたのは女性だった。それは映画の中だけでなく、現代の世界でも真実だよね(笑)。僕はそうした魅力的な女性が描かれているからこそ、この映画を作りたかったし、作っていてとても楽しかったんだ」