ティム・バートン監督がベネチアで「スウィーニー・トッド」をお披露目
2007年9月7日 12:00
[映画.com ニュース] 9月5日、第64回ベネチア国際映画祭ではティム・バートン監督に長年の功績に対する栄誉金獅子賞が贈られ、その日は“ティム・バートン・デイ”となった。親友を祝うべく、俳優のジョニー・デップがプレゼンターとして当地へ駆けつけた。
その日昼の記者会見で、金獅子賞トロフィーについて「毛がない裸の男(オスカー像)よりも本当に美しい物だ。これまで受け取った賞の中で最も嬉しい」と喜びを爆発させていたバートン監督は、その夕方、メイン会場サラ・グランデで行われた授賞セレモニーで、デップから金のライオンを受け取り、「映画への情熱だけはあった。僕がここまで来られたのは、ビジネスでもなくファイナンス(金集め)でもなく、映画への愛だった」と語った。デップは「彼は、オリジナリティのある本物のアーティストで、本物のオトゥール(個性的な演出家)。僕の大好きな監督で友達だ」と祝いの言葉を述べた。
セレモニーの後、93年のアニメーション・ミュージカル「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」3Dバージョンが上映されたが、それに先立って、全世界注目の話題作「スウィーニー・トッド(Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street)」の8分間の特別映像がサプライズ上映された。
その映像は、スティーブン・ソンドハイムによるミュージカルのハイライトシーン。デップ演じるスウィーニー・トッドがカミソリを振り回しながら、ヘレナ・ボナム・カーター(バートン監督の現パートナー)演じるロベット夫人とデュエットで歌うミュージカルナンバー「My Friends」(「カミソリは友達、カミソリを愛している」というフレーズがある)。シャープだが、彩度を落とした映像はホラーテイスト満載で、白髪混じりの髪を振り乱し、狂気を瞳に宿したデップの演技についてバートン監督は、「音楽付きで、往年のホラー映画を作ろうとトライしてみた。(怪奇俳優の)ボリス・カーロフやピーター・ローレみたいだろ」と集まった記者に語ってみせた。