07年本屋大賞は佐藤多佳子著の青春小説「一瞬の風になれ」
2007年4月6日 12:00
「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本 2007年本屋大賞」の発表会が4月5日、東京・信濃町の明治記念館で行われ、佐藤多佳子著「一瞬の風になれ」(講談社)が第4回本屋大賞に輝いた。同賞の選考者はエントリーした全国の書店員779人。対象作品は、05年12月1日~06年11月30日まで出版された小説。1次投票で全国317書店の店員415人による投票により10作品に絞られ、2次投票ではさらに3本ずつ1位3.0点、2位2.0点、3位1.5点と順位づけして採点された集計の結果、受賞作「一瞬の風になれ」が累計475.5点と、2位に約20点の僅差ながら大賞に輝いた。
「一瞬の風になれ」は、陸上の400メートルリレーに賭ける高校生が主人公にした全3部作の感動の青春スポーツ小説。本屋大賞受賞作は100万部を超える大ベストセラーになることが多く、04年大賞の小川洋子著「博士の愛した数式」、05年大賞の恩田陸著「夜のピクニック」、06年大賞のリリー・フランキー著「東京タワー/オカンとボクと、時々、オトン」(4月14日公開)、と過去の3作品はいずれも映画化されている。
今回、本屋大賞を受賞した佐藤多佳子氏の小説には山本周五郎賞の候補になった「しゃべれども しゃベれども」(新潮文庫)がある。話し方教室を開くはめになった落語の二ツ目の噺家・今昔亭三つ葉をめぐる人間模様を描いた胸キュンの恋愛小説。TOKIOの国分太一主演、平山秀幸監督作品として映画化され、5月26日に公開される。
なお、第4回本屋大賞のトップ10結果は以下の通り。
1位 佐藤多佳子著「一瞬の風になれ」(講談社) 475.5点
2位 森見登美彦著「夜は短し歩けよ乙女」(角川書店) 455点
3位 三浦しをん著「風が強く吹いている」(新潮社) 247点
4位 伊坂幸太郎著「終末のフール」(集英社) 228点
6位 万城目学著「鴨川ホルモー」(産業編集センター) 175点
7位 小川洋子著「ミーナの行進」(中央公論新社) 152.5点
9位 三崎亜紀著「失われた町」(集英社) 127.5点
10位 宮部みゆき著「名もなき毒」(幻冬舎) 89点