MPAA、サンプルビデオ配布をアカデミー会員のみに許可
2003年10月28日 12:00
先月、アメリカ映画協会(Motion Picture Association of America)が映画祭や映画賞の審査員に対するビデオやDVDの無料配布の禁止を言い渡したが、有名監督や俳優たちからの激しい反対に折れる形で、アカデミー会員へのビデオ配布のみ許可することになった。アカデミー会員には、サンプルビデオを他人に譲渡または貸与しないとする誓約書に署名させ、作品が流出した場合は原因を作った審査員をアカデミー会員から除名する方針を発表。また、サンプルは、高画質で簡単にコピー可能なDVDではなく、ビデオに限るとした。
この決断により、インディペンデント映画やマイナー作品がアカデミー賞で不利になってしまうという、反対者たちが恐れるシナリオは避けることができた。しかし、アカデミー会員のみにサンプル版の配布が許可されたことで、他の団体は一斉に不満を爆発させている。たとえば、ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者組合(The Hollywood Foreign Press Association)は、「5600人もいるアカデミー会員にサンプル版が渡って、90人しかいないうちの会員に渡されないということは、海賊版防止以外の意図があるように思える」と声明を発表。アメリカ俳優組合(SAG)も、イギリスのアカデミー賞にあたるBAFTAも、反対を唱えている。