劇場公開日 2022年6月24日

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「今年2本目の中村倫也・吉岡里帆タッグ」ゲキ×シネ「狐晴明九尾狩」 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今年2本目の中村倫也・吉岡里帆タッグ

2022年7月13日
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鑑賞方法:映画館

夢枕獏原作の「陰陽師」の小説、漫画、映画で安倍晴明に魅了され、以降夢枕獏以外のドラマや派生作品なども観てきましたが、本作「狐清明九尾狩」は、昨年舞台化されたものを映像にしたものでした。清明物ということだけで、殆どキャスティングを気にせずに観に行った粗忽者なのですが、主演は中村倫也、そしてヒロイン役に吉岡里帆を起用しており、5月に観た「ハケンアニメ!」の主役コンビと同じだったのは僥倖でした。相変わらず可愛げな吉岡里帆様のお姿を拝見できて、それだけでもアゲアゲな気持ちで作品に入っていくことが出来ました(笑)

内容としては、清明の幼馴染であり、また陰陽師の宗家である賀茂家の嫡男・利風(向井理)と清明の対決を描いたものでしたが、逆転に次ぐ逆転で、(最終的に清明が勝つと確信しつつも)最後まで飽きさせない展開で、非常に楽しめました。

演出としては、夢枕獏原作の映画「陰陽師」で野村萬斎が演じた重厚かつ優雅な清明像と異なり、倫也清明は一人称を「僕」と言うなど、若さというよりは子供っぽさが強調された描き方がされていて、最初はやや戸惑いもありました。ただそうした清明像も、後半以降激しいアクションシーンが連続することになる舞台劇としては、当然だったようにも思えてきました。優雅で貴族然とした清明が、激しく素早く動き回るのは、あまりマッチしませんからね。ただ、陰陽師という役柄というか位置付けを考えると、方術より直接的な武術重視になってしまった感があったのは、若干残念と言えば残念でした。まあ舞台劇なので仕方ないのでしょうが。

いずれにしても、途中休憩を挟みつつも、3時間近い長丁場の作品でしたが、最後まで集中して観ることが出来る良作でした。

鶏