ある惑星の散文
劇場公開日:2022年6月4日
解説
神奈川県横浜市の本牧を舞台に、人生の岐路に立つ2人の女性が織りなすささやかな物語を描いたドラマ。濱口竜介監督の「偶然と想像」などで助監督を務めてきた深田隆之の初劇場公開作品。脚本家を目指すルイは、海外に行っている映画監督の恋人アツシの帰りを待ちながら、スカイプ越しの会話で2人の今後の新しい生活への計画に胸を躍らせていた。一方、舞台俳優として活動していた芽衣子は、精神疾患によっていまは舞台を離れ、カフェで働いているが……。横浜市出身の深田監督が、かつてはアメリカ軍の接収地としてその文化を吸収し、その後は鉄道計画のとん挫などにより陸の孤島となってしまった本牧を舞台に映画を撮ろうと考え、ロケーションからシナリオを発想して制作した。
2018年製作/99分/日本
配給:夢何生
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2022年6月9日
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鑑賞方法:映画館
ポスタービジュアルに惹かれて鑑賞。ワンカット長回しを多用しつつ、海の青さに心を揺すっていく。その長回しに耐え得る要素が少なく、長く感じたのが惜しい。
そもそものテーマが凄く抽象的であるため、受け手にメッセージを正しく届けることの難しさも孕んでいる。しかしながら、女性二人の現在地と変化を繊細かつ柔軟に描き、その筆跡の強さを嫌いになることは出来ない。
その背景にあるのは、港の青さなどの景色が同居してることにある。互いの分岐を迎えるのではなく、分岐を迎えに行く。見えなかったものを見ていて、それを他人とすり合わせる必要はない。主人公になろうと思っていない彼女たちが、未来をたぐると見えてくるモノがあるからこそ、嫌いにはなれない。そして、言葉は少ないものの、不思議と余韻が心地良い。
インディーズによくある風に見えて、実はアイデンティティも多い。工夫が随所に感じられて、観れて良かったと思った。
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どこにでも行けるはずなのに狭い世界から抜け出せずにいる二人の女性、その二人が出会い動き出す予感。
そう簡単に上手くは行かないかもしれない、でもその一歩を踏み出す勇気を感じられたのが良かった。
濱口竜介監督の偶然と想像の助監督や、海に浮かぶ映画館の館長さんでもあり、こども映画教室の講師でもある深田監督
うちの娘も以前、こども映画教室で諏訪敦彦監督回の時に深田監督のフカちゃんチームでお世話になりました。
カメラの扱いを優しく教えてもらったり褒めてもらったりしたことを、目をキラキラさせながら話していたのを今も鮮明に覚えています。
その優しく繊細な眼差しが映画に現れていて、
これは監督自身でもあり、周りの人を優しく見守る監督の眼差しのようでもあり心地よい映画でした。
本牧の風景も素晴らしかった。
娘にも見せたいけどレイトショーだけなので厳しい
キネ旬にレビューに書かれている通り、やや映画内の世界の窮屈さは感じるものの、人と人とのすれ違い、巡り合いの人生の一部を切り取った作品。人は人に記憶されたいし、記録だけでは満足できないものだ。タイトルのようなキーワードが散りばめられ思った以上にいい意味でと悪い意味でも緩やかだけど映画的です。
映画監督の彼氏との関係にズレを感じ始める脚本家の女性と、病気の為に不完全燃焼で舞台女優の仕事から離れたカフェ店員の話。
海外の映画祭に行っている彼氏とルイのスカイプでのやり取りと、公園で兄貴と近況や昔話を語る芽衣子の様子を行ったり来たりしながらみせていく展開で、早々に2人は顔を合わせるけれど…。
たっぷりまったり時間を使い機微をみせていくけれど、芽衣子のパートは要りますか?
なんだかルイのオマケの様に感じてしまうのだけれど、その割にかなり尺を使っているし。
ルイとアツシのそれまでのプライベートと仕事のスタンスがよく見えないから何とも消化不良だし、芽衣子にいたっては病気の切っ掛けや経緯や現在の状況が解らないから、ただの演劇スノッブか構ってちゃんの様にみえてしまうし。
散文詩を語らせたかっただけなのかな?
内容の割に余りにも長過ぎて冗長だった。