「空を見て、目を逸らさないで」ドント・ルック・アップ amさんの映画レビュー(感想・評価)
空を見て、目を逸らさないで
最初はただのパニック映画かと思っていましたが、気づけば笑えないほど現実的で、むしろホラーのように感じました。
彗星が地球に衝突するというシンプルな設定なのに、そこに映し出されるのは「見ようとしない人間たち」の姿。ニュースもSNSも、全部が現実から目をそらすためのエンタメに変わっていくのが恐ろしくて仕方ありませんでした。
皮肉や風刺が強い作品ですが、テンポがよくて誰でも見やすく、笑っているうちに背筋が冷えるような感覚になります。セリフの一つひとつが鏡のようで、笑いながらも「自分も同じかもしれない」と思わされました。
映像も美しく、静かな絶望を感じさせるカットが多く、最後まで飽きずに見られます。
コメディと社会批判をここまで自然に混ぜ合わせた映画はなかなかありません。
何かに対して目をそらしてはいけないと思わせてくれる作品でした。
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