なれのはてのレビュー・感想・評価

めっちゃ評価しにくいです、この作品。
題材は良いですし、監督の半端ない根気(その人の人生の最期まで追っかけてたりするので)にも賞賛しかありませんが、なにぶんかなり観にくいです。ラスト付近は結構細切れ仕様なので。
ただしここで観とかないと次どこで観れるんよ？という作品でもあります。

内容。
この作品には四人の登場人物がいます。全て男性かつ日本人で、過去警察官だった人から元証券マン、ヤクザ者まで扱ってます。
日本で居場所がなくなった彼らが向かった先は、フィリピンの困窮地域。元々仕事でフィリピンに来ていたり、フィリパブにハマりすぎた結果本国まで来ちゃった、ってやつですね。
ただしそれぞれに境遇は違っていて、伴侶がいたり、脳梗塞を発症して歩くのも億劫だったり、で孤独だったりと。

なぜ、彼らがフィリピンに来たのかという理由から、その後どうなったのかまでを割としっかり追っかけています。

結論から言うと『なれのはて』と言っても日本のニュースやドラマ、映画で取り上げられるような困窮感はなかったです。基本全員家族みたいなフィリピン困窮世帯の空気。その中に混じる日本人。
ただし、そこでの混じり方が完全に同調しているのか、異物なのかによって行く先は全然変わる。

今回亡くなった人達のうち、誰にも想われずに亡くなった２名の方については、同調したかったけれど出来なかった(家族を作りたかったけれど作れなかった)２名かと思いました。
ただ、この映画をきっかけに日本の家族との関係性を修復出来た人もいたので。

なれのはてでも、その場所で誰かと一緒にいられるとしたら、それもある意味希望であり幸せなんじゃないでしょうか。法的なところでは問題あるかもしれませんが。