劇場公開日 2021年12月24日

「次の選挙でも、是非「香川1区」に密着してください」香川1区 駒井尚文(映画.com編集長)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0次の選挙でも、是非「香川1区」に密着してください

2022年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

前作「なぜ君は総理大臣になれないのか」と本作を続けて見ました。小川淳也という政治家は知っていましたが、こんなに熱い人物だとは知らなかった。なんというか、少年ジャンプの漫画に登場する主人公みたいです。努力→挫折→友情(愛情)→勝利。

この映画を見ると、政治家という職業が、いかに割に合わないものであるか痛感します。一方、主人公の小川が言うように、日本の政治がかなり時代遅れになっていて、今の時代にそぐわないものなんだという点も理解できます。だから、政治をアップデートしようと小川たちが割に合わない政治家を続けている。

監督とクルーは、全国でも有数の激戦区、香川1区で繰り広げられる選挙戦に長年にわたって密着し、自民党の平井卓也陣営、立憲民主党の小川淳也陣営、そして、今回第3極として殴り込んできた維新の会の町川純子陣営を執拗に追いかけます。前作「なぜ君」から本作までの間に、小川の選挙事務所はカラフルになり、「オガココ」なるサポータークラブができていたりとけっこう驚きます。バラク・オバマが大統領になった時の「オバマガール」なんかをちょっと思い出しました。

選挙のドキュメンタリーは、良くも悪くも、選挙結果と連動しているのがポイントであり、カタルシスですね。欲を言えば、小川陣営の資金調達の話を詳しく知りたかった。お金の話は、平井陣営のものだけでしたので。次の選挙でも、是非香川1区に密着してください。もっともっと見たいです。

駒井尚文|映画.com編集長