劇場公開日 2021年12月3日

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「『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』みたいな作品かと思いきや、泥臭くてエモーショナルなほぼマカロニウェスタンでした」ナチス・バスターズ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』みたいな作品かと思いきや、泥臭くてエモーショナルなほぼマカロニウェスタンでした

2021年12月4日
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鑑賞方法:映画館

舞台は1941年の冬、モスクワへ進軍中のドイツ軍の手に落ちたヴャジマ近郊。そこでは次々にドイツ軍の兵士が射殺される事件が発生、兵士の軍服から肩章を剥ぎ取って姿を消すその狙撃手は“赤い亡霊”と呼ばれていた。同じ頃部隊とはぐれてしまいパルチザンと合流しようと何日も雪の中を歩いていたソ連軍の兵士達は無人の民家に辿り着くがそこにはドイツ軍の罠が仕掛けられておりブラウン大尉率いる部隊が迫っていた。絶体絶命の事態に彼らは死を覚悟して立ち向かうべきか躊躇するが・・・。

ロシア製なので『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』のような作風を無意識に期待していましたがそれは全然見当違いで、戦争映画というよりもほとんどマカロニウェスタン。管弦楽にフォルクローレを織り交ぜたゴージャスな劇伴はもう完全にそっちのノリだし、舞台もほとんど民家の周りだけで大掛かりな兵器も出てこないしほとんどCGも使われておらず、50年前に作られた映画だと言われたらそのまま信じてしまいそうなくらいオーソドックス。マカロニなので薄汚れたイイ顔のオッサン達が大活躍する爽快感がハンパない痛快な作りになっています。一方的にナチを殲滅する話かと思いきや敵対するドイツ軍兵士の描写が意外と多面的、冷酷で勇敢なブラウン大尉周りに細かいギャグも散りばめられていて何気に多彩。非常に単純なストーリーに厚みが加わって華やかさがどこにもないのに実にエモーショナルな作品となっています。ちなみに『T-34〜』と一部主要キャストがカブっているので、『T-34〜』を観た人は余計に楽しめる仕様となっています。

よね