劇場公開日 2021年11月19日

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「幸せの形は人それぞれ」ずっと独身でいるつもり? コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5幸せの形は人それぞれ

2021年12月5日
PCから投稿

原案となった雨宮まみさんのエッセイと、おかざき真里さんの原作テイストをよく汲み取りながら、ふくだ監督らしいフィルムになっていて満足度が高かったです。
女性の視点で、「いかに逞しく幸せを求めて生きていけるか」を描いています。

実のところ、個人的には本作のような男女のジェンダー差で語る文法はあまり好きではないです。
それでも、(男性の身でも)「そういうものだ」「だから我慢して当然」という価値観の押し付けを周りからされ、同調圧力にさらされるのは本当に生きにくく息苦しい。
むしろ多くの日本人にみられる、既成概念にとらわれた醜さと、それに押しつぶされる人々という視点で見れば、「怒りを見事に表現している」と思えました。
正直、すっとする映画ではなく、観終わるとどよ~んとした嫌な気分になるかもしれません。

人によっては、同調圧力の何が悪いのか、それが社会のあり方じゃないか、と考え、映画の内容自体に不満を抱くかもしれません。
もしくは、主人公たちが我がままで、自業自得なんではとさえ思うかもしれません。

ただ私には、主人公の選択はちょっと小気味よかったし、主人公を圧迫した人間たちのようにはならないようにしよう(なりたくない)とも思えました。
幸せの形は、人それぞれだと思うんですよね。

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コージィ日本犬